| 核兵器廃絶の理想を世界に モンゴルは非核兵器宣言の国 初代総裁の思想を基にセンターは活動
モンゴルセンター発会式記念講演・要旨
人類愛善会モンゴルセンター会長
S・ツェデンダンバ
人類愛善会モンゴルセンターは、 アジアの平和だけでなく、全世界に平和を築く出発点に、
との願いを込めて設立された。モンゴルと世界平和の関係を考えるとき、同国が1992年に非核兵器の国を宣言し、
核の力に頼らない世界平和づくりを外交の基本に置いている意味は大きい。6月9日にウランバートルで開かれた、
人類愛善会モンゴルセンターの発会式で記念講演した、ツェデンダンバ同センター会長(モンゴル国大統領首席補佐官)は
「モンゴルの非核政策は、各国にとっても 世紀の理想像であり、モンゴルから世界平和をと示された、出口王仁三郎初代総裁の考えとも一致する」と語った。

平和の実現はすべての人類の念願であり、母なる大自然・地球の念願でもあります。また、世界のあらゆる宗教の宗祖の願いであり、私たちの強い念願であります。
モンゴルには「湖が安静なら水鳥も安心」という古い諺がありますが、世界に平和が訪れることにより、初めて全人類に真の幸福が訪れます。
世界全体が平和であるためには、世界の各地域・国々が平和でなければなりません。ということは、私たちの暮らすアジアの平和も、全世界、全人類の平和に大きく影響を与えるということです。
そして、前世紀にこの考え方を強く主張された先人のお一人が、出口王仁三郎先生でした。先生は「アジアに精神的和合が実現すれば、世界の精神的統合が訪れる」、「アジアの精神的和合こそが、世界平和の核である」などの素晴らしい教えを残されました。
21世紀を迎えた今、新世紀を生きる私たちが先生の思想を理解し、「アジア連合」に向けて心を結び、共にその実現を目指して行動すべき時を迎えました。
「アジア連合」は、私個人の現在だけでなく、モンゴルの子供たちの将来に直接関係する重要なテーマです。私は、このテーマについて、今後も継続できる場を設け、連合の実現に向けて努力を尽くすことが大切であると思っております。
昨日の国際集会に参加された皆さまは、心の中で「アジア連合」の実現に向けて一歩を踏み出されました。このことは、今回の国際集会の大きな成果であると思います。
核兵器開発に反対
モンゴルは独立以来「平和」を主張し、核兵器に関しても、開発の当初からその製造と配備に、積極的に反対してまいりました。
モンゴルは1946年から15年間にわたる努力の末、61年に国連加盟国となり、国際的な支援の下で反核運動を行うことになりました。その後、核不拡散条約(NPT)と包括的核実験禁止条約(CTBT)に加盟しています。
また1992年9月、モンゴルは国連総会において「非核兵器国」を宣言しました。その後、核保有国のアメリカ、ロシア、フランス、イギリス、中国の5カ国に、非核国モンゴルに対する安全保障の供与を要請するなど、たび重なる協議を続けました。
その結果、1998年12月、国連総会で「モンゴルの国際的安全保障と非核地位を歓迎する決議(53/77D)」が採択されました。
さらに2000年10月、先の核保有5カ国は共同声明「モンゴルの非核地位に関連した安全保障について」を発表しました。
その声明には「モンゴルの『非核兵器国宣言』を歓迎すると共に、核拡散防止条約加盟国であるモンゴルの地理的特殊事情を考慮した上で、周辺地域および他国との平和的な交流・経済関係を願うモンゴルの立場および外交政策を歓迎する」と記されています。
またその中で、核保有5カ国は以下の4つの事項について保障しました。
1 国連決議(53/77D)の実現に向けて5つの国は団結して協力する。
2 モンゴルが核兵器で侵略、または威嚇される場合は、国連安全保障理事会の第984決議(1995年)に従い、モンゴル防衛の施策をとる。
3 5カ国はモンゴルに対する安全保障を再確認する(核兵器を使用しない。また、核兵器による威嚇をしないこと)
4 中国とロシアはモンゴルに対する法的責務を再確認し、それを果たす。
新世紀の理想像
このような8年間の努力の結果、モンゴルは今日、「一国非核の地位」を国連および核保有5カ国に認めさせ、平和的に新世紀の第一歩を踏み出すことができました。
これは容易な道ではありませんでしたが、実現できたことを私たちは誇りに思っております。
また、モンゴルの非核地位は他国から見ても、新世紀のあるべき理想像となっています。たとえば、島本邦彦会長も昨日の国際集会で話されましたように、
1997年以降カザフスタンなど中央アジア5カ国が連携し、中央アジア非核地域をつくる運動を推進しており、日本政府もこの運動に積極的に協力しておられます。
モンゴルの「一国非核の地位」は、わが国だけではなく、アジア全域の安全保障に重要な意味を持つものです。
出口王仁三郎先生は「アジアの精神的和合こそ世界平和の要であり、モンゴルは東アジアの根源地である」と示されましたが、わが国の「一国非核の地位」についての考え方は、先生の思想と一致するもので、先生の希望の実現でもあると感じております。
そういうモンゴルの私たちは、今後ともアジアの平和の中心であり、平和への新しい発想の発信地であるよう努力し続けてまいります。
ヒロシマの少女の折り鶴
ところで、モンゴル人の私たちはなぜ核兵器に強く反対しているのでしょうか。
それは第一に、強く平和を願望しているからです。第二に、広島・長崎への原爆投下がもたらした核兵器の恐ろしさを、よく認識し、二度とこのような悲惨な事が起きないようにと、心の底から願っているからです。
核廃絶を願うモンゴル国民の間では、数多くの詩や歌が作られて来ました。その中で最もよく歌われているのが「広島の少女の折り鶴」です。この歌は昨年の人類愛善会主催のチャリティーコンサートでも、歌手のオユンナさんが人類愛善会の合唱団と共に歌われました。
私は、その歌は被爆した日本人によって作詞されたものだと思っていました。ところが、モンゴル人の作詞であることを知りました。他人の苦しみ、悲しみを自分のことのように受け止めることは、平和を望む人間にしかできません。モンゴルでこの歌が作られたことは、世界平和を心から願うモンゴル国民の人間性と愛善の心の大きな表れであると思います。
テロ防止への努力
平和への行動として、モンゴルはテロリズムの防止に対しても積極的に活動しております。モンゴル国大統領は、9・11米国同時多発テロ事件以降、テロとの戦いに積極的に取り組むよう政府へ指示し、「反テロ」法案を作成し、国会で可決させました。
また、「モンゴル」と国際テロリズム」をテーマにした小会議を大統領の支援で開催しました。テロに関する国際会合にも積極的に参加し、テロ防止に努力しています。
2000年9月にニューヨーク市で開催された世界ミレニアム首脳会談には、モンゴルのN・バガバンディ大統領が参加し、「ミレニアム宣言」に署名し、国連総会で演説しました。
バガバンディ大統領は、国連安保理の拡大、特にアジア代表の常任理事国入りについて取り上げ、アジアの平和に向けての考えを示しました。
モンゴルから世界に
また、政府だけではなく一般国民、宗教者も平和運動に積極的に参加しています。
1972年、モンゴルの仏教徒は世界平和の実現を目指す国際機関として「アジア仏教徒平和会議」を設立しました。現在、モンゴル仏教総本山ガンダン寺院のチォイジャムツ管長がその会長を務めておられます。
本日、人類愛善会モンゴルセンターの発会式が行われました。このセンターは平和、社会福祉、相互理解と協力を目的とする非営利・非政府機関(NGO)です。当センターは日本の人類愛善会総本部と緊密な連携を取りながら活動すると共に、アジア各国の分会とも協力してまいりたいと思っております。
そして私たちは、人類愛善会創立者で初代総裁の出口王仁三郎先生の思想を基本方針としてセンターの活動を進めてまいります。
特に、先生がモンゴルに世界平和の基礎となる理想郷を築き、そこから真の平和をアジア全域、さらに世界へ広げていこうとされたことを、常に念頭に置き、アジアの人類愛善会の中心的役割を担えるよう、努力してまいりたいと思います。
モンゴルセンターの具体的活動は、社会福祉活動が中心となりますが、自然環境保全の教育、モンゴルの伝統文化の普及にも大きく貢献してまいりたいと思います。
最後になりましたが、人類愛善会モンゴルセンター発会式にご参加の皆さまに、発会のお祝いと御礼を申し上げます。(文責=本紙・松本公夫)
 昨年6月、ウランバートル市の文化宮殿を会場に、
人類愛善会とモンゴル仏教総本山ガンダン寺院との共催で開かれたチャリティコンサート。フィナーレで「ヒロシマの少女の折り鶴」を熱唱する、
モンゴル出身の歌手オユンナさんと人類愛善会の合唱団。中央に出口紅総裁
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