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長崎 第33回原爆殉難者慰霊祭 慰霊のことば

 世界連邦日本宗教委員会最高顧問・大本教主

出口 紅

 長崎被爆60周年を迎え、原爆の犠牲となられました殉難者の御霊の御前に謹んで追悼の誠をお捧げ申し上げますとともに、今も被爆による後遺症に悩み苦しんでおられる方々に心からお見舞いを申し上げます。  

 本年も長崎市民の皆様、また長崎県宗教者懇話会の皆様方により原爆殉難者慰霊祭が、いとも厳粛に斎行されましたことを心より感謝申し上げますと共に、ご関係の皆様方のご努力ご尽力に深く敬意を表したく存じます。  

 今から60年前、原子爆弾の投下により、美しく歴史ある長崎の街は一瞬にして廃墟となり、そして幾多の尊い命が失われました。原子爆弾は、人類が作った最も残虐で愚かな、そして悲しむべき兵器でございます。  

 長崎は、この原爆の惨劇を乗り越え、市民の皆様の努力と助け合いにより見事に復興を成し遂げられました。そして絶えず世界へ向けて平和への願いが発信され、二度とこの地上に被爆の惨禍が繰り返されぬよう祈り続けてこられました。  

 しかしながら、地球上には今なお3万個にものぼる核兵器が存在するといわれ、小型核兵器の開発競争や拡散が問題となっております。また世界各地ではテロと紛争が絶えることなく繰り返されており、非人道的な悲しむべき状況が続いています。  

 このような危機的状況が続く中、私たちは、いまここ長崎の地で、60年前の地獄的な体験が二度と繰り返されないよう、そして戦争と軍備がこの地上から無くなる時代が訪れるよう、世界平和への誓いを新たにいたしたいと存じます。  

 また私たちが念願し続けて参りました、世界連邦の理念を日本の国是とする「国連創設及びわが国の終戦・被爆 周年に当たり、更なる国際平和構築への貢献誓約決議」が、8月2日衆議院において採択されました。その決議文には「日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、唯一の被爆国として、世界のすべての人々と手を携え、核兵器等の廃絶、あらゆる戦争の回避、世界連邦実現への道の探求など、持続可能な人類共生の未来を切り開くための最大限の努力をすべきである」と謳われています。  

 この歴史的な国会決議を機会に、私たちは、世界連邦の実現、世界の恒久平和に向けて、さらに一歩ずつ、着実に歩を進めて参りたいと念願しております。  

 世界平和に至る道のりは、なお険しく幾多の試練をのり越えなければならないと存じますが、今こそ、私たちは「人類は本来兄弟同胞であり、一心同体である」との崇高な理念のもとに、人種・国家・宗教の障壁を取り除き、お互いが尊敬と理解を深め一致和合し、神仏のご加護のもと、この地上が愛と希望に満ちた平和で幸福な世界となりますよう、国内外の宗教者の皆様と共に手を携え、力の限り努力して参りますことを犠牲者の御霊にお誓い申し上げ、「慰霊のことば」とさせていただきます。

 平成17年(2005)8月8日



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