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『主張』

エスペラントをアジアの共通語に

 今年6月、日本のエスペラント運動は100周年を迎える。 エスペラントは、120年ほど前にポーランドの眼科医ザメンホフ博士が発表した国際共通語で、簡便で学びやすく、 『人類人主義』という普遍的人類愛の精神が込められているのが特徴だ。

 アジアの精神的融和を世界平和確立の基礎と考えた、出口王仁三郎人類愛善会初代総裁は、 愛善会創立の2年前、すでに活動の中にエスペラントを取り入れていた。

 来年8月には、第92回「世界エスペラント大会」が横浜市で開催され、国内外から2千人規模の 参加者が集まる予定だ。この世界大会に向け、全国的にエスペラント活動が盛り上がりを見せつつあり、 人類愛善会員の間でも学習熱が高まっている。

 過去100年の間に、エスペラント普及の『世界的なチャンス』が何度かあった。

 1920年代、海外では国際連盟事務次長だった新渡戸稲造の提唱で、「国際連盟でエスペラントを採用する」 取り組みが行われ、国内でも25年に「小中学校でのエスペラント導入」についての国会請願署名活動が行われた。 同時期にラジオ講座も始まり、一気に知名度が上がった。

 戦後は、55年ごろから世界エスペラント協会による国際連合への働きかけが世界規模で行われ、 国内でも「義務教育科目としての採択」を求める請願署名活動が行われた。また、65年にはアジアで初めての 世界エスペラント大会が東京で行われている。『団塊の世代』の青春時代、エスペラント学習は一つの流行となっていた。

 95年以降は、欧州連合(EU)への働きかけが活発に行われている。

 このように、「国際共通語」としての採択を求める運動は、これまでほぼ30年周期で行われてきた。 しかし、近年の『うねり』が日本国内では余り目立たないのは、どうしてもアピールの対象が『欧州』を中心として いるからであろうか。

 さて、次の大きなうねりは、もう少し早く来るかもしれない。エスペラントは、アジアでこそ、 その本来の機能、つまり「国際語」としての威力を発揮し始める可能性が高いからだ。

 世界の流れは今日、EUやAU(アフリカ連合)のような『地域統合』に移行してきている。 アジアでも同じで、昨今、『アジア連合』の創設が叫ばれるようになった。そこでも、 共通語をどうするかが問題となるだろう。

 人類愛善会はこの20年ほどの間、エスペラントを通した日本と中国、韓国との交流を続けてきた。 そこでは、エスペラントこそが、アジアに横たわる歴史的あつれきを超え、しかも、アジア人にも学びやすい言葉で あると実感してきた。

 アジア諸国には、多種多様な民族語が存在する一方、旧植民地宗主国の言語への潜在的な抵抗感もあり、 エスペラントが欧米の言語より受け入れられやすい環境にある。

 日本のエスペラント運動100周年を新しい出発点として、『アジアの共通語エスペラント』の実現を、 国内外に訴えていきたい。



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