しんぶんろご しんぶんろご5月号  P1   P2   P3   P4   P5   P6   P7     バックナンバー   TOP 

臓器移植法の『改悪』に反対

人類愛善会生命倫理問題対策会議が国会に請願提出

photo  今年3月末、現行の臓器移植法の主旨を大幅に変えた上で、脳死臓器移植の推進を図る改正案が国会に提出された。 これを受け人類愛善会生命倫理問題対策会議は、衆参両院議長に対し、現行法の基本理念を順守しない改正に反対する 下記内容の請願書を提出することとした。
 4月中旬現在その作業を進めており、早くから脳死臓器移植に反対してきた阿部知子衆議院議員ほか8人ほどの 紹介議員を募り、衆参両院議長宛に提出する。
(写真上)人類愛善会生命倫理問題対策会議が発行している「ノンドナーカード」


「臓器移植に関する法律」の改正に関する請願書

 現在施行されている「臓器移植に関する法律」(平成9年法律第104号:以下、法とする)は、 「臓器提供を希望するものに限って脳死を人の死とする」という特例的条件のもとに、法律内容が定められています。 あえてこのような条件のもとに同法が成立したのは、「脳死を人の死とするか否か」については意見が分かれ、 国民的合意に達しえない背景があったからに外なりません。
 法施行後、今日までに44例(平成18年3月27日現在)の脳死からの臓器移植が行われましたが、 国民の間にはそれを歓迎する声とともに、一方では、脳死・臓器移植にたいする不信と懸念の声があることも事実です。
 こうした中、去る3月31日「脳死を一律に人の死として、本人が拒否の意思を示していなければ、 家族の同意で臓器提供を可能とする」案、また「現行法の枠組みを維持した上で、提供者の年齢制限を現行の15歳以上 から12歳以上に引き下げる」案の2案が国会に提出されました。
 とりわけ、本人が拒否していなければ家族の同意によって臓器提供を可能にすることは、脳死を一律に人の死 とするという、現行法を大きく逸脱した内容であります。
 人類愛善会は、平成12年10月、「脳死は人の死ではない」旨の街頭署名87万余人分を厚生大臣(当時)宛に 提出しております。
 つきましては、現行の法が厳正に機能するよう、次記事項を措置されることを求めます。
請願事項
1、法の目的は人道的精神に基づいた移植医療の適正な実施に資することであり、 同法の基本理念に悖る様な改正が行われることのないよう措置されること。
以上


(写真下)脳死が人の死ではないことを伝えるチラシ
「ノンドナーカード」と共に、臓器移植法施行の翌年、平成10年(1998)から発行を続け、現在もインターネットなどを通じて全国の市民から入手要望が届いている。
入手希望は、同対策会議=0771(22)9960まで。

photo



(写真下)人類愛善会は平成12年(2000)10月、1年間をかけ全国の愛善会員が街頭で市民から集めた、 87万人を超える脳死臓器移植反対の署名を、厚生大臣(当時)宛に提出した

photo




●新風Nova Vento●


  去る3月31日、臓器移植法の改正案が国会に提出された。同法は平成9年、それまでの長い議論の末生まれた。 わが国では、脳死が人の死とするかどうか、社会的合意が得られず、脳死状態での臓器提供に同意すると意思表示した人だけにつき、 脳死段階で死と認めた▼

 したがって、明確に意思表示できない子供や障害者、民法上の遺言年齢を満たさない 歳未満は、ドナーとしないことになった。 また、脳死臓器移植は、フェアー(公平)・ベスト(最善)、オープン(透明性)を旨とし、国民にも判断に必要な情報が提供されるはずだった▼

 ところが現実には、患者のプライバシーを理由にほとんどの情報が公開されず、臓器提供を受ける患者についても、ガイドラインに反して、 臓器提供者の家族が優先されたことさえあった▼

 ドナーの救命にベストを尽くすことにおいては、しばしば問題があり、三事例に対して日本弁護士連合会は「人権侵害」の事実を認め、 脳死判定をした病院に対し、是正などの勧告を行った▼

 一方、今回出された「脳死を一律に人の死として、本人が拒否の意思を示していなければ、家族の同意で臓器提供を可能にする」改正案は、 現行法の主旨である「脳死は人の死であるとの国民の合意はなされていない」という理解と、「本人の意思を重視する」基本姿勢に反し、法成立の過程での 議論をまったく無視している▼

 昨今の国会内の混乱に乗じて、安易な採決がなされないよう、各議員の意識を喚起したい。

 


●メディアウォッチ●

ニュース「阪神・金本選手が世界一に」

904試合連続フル出場で世界記録樹立


 阪神タイガースの金本知憲選手が904試合連続フルイニング出場し、米国大リーガー・リプケン選手の記録を抜いて世界一の新記録を達成。 彼が以前在籍していた広島時代から8年間を掛け、日々コツコツと努力を重ねて、38歳にしてついに手にした栄えある記録だ。

 特集番組では、骨折やケガに屈することなく、血を流しながらも塁に立つ彼の雄々しい姿が映し出されていた。 厳重な健康管理や主力選手としての実力保持などの努力は、素人の想像をはるかに超えるものに違いない。阪神が誇る名選手の吉報は、 過去10年間のデーゲーム中最高の視聴率をもたらし、関連本や記念切手も発売され、大いに盛り上がっている。

 プロ選手で38歳といえば、体力の限界を迎え、引退を考えるころ。だが彼は、王貞治監督(ソフトバンク)から提案された1500試合達成を目標に、 野球に専念するという。華やかな記録に酔うことなく、黙々と野球に打ち込む彼の姿に、学ぶものは多い。       (ゆ )

               

前へ   次へ

バックナンバー

TOP