心と心をつなぐ言葉・エスペラント
第16回国際エスペラント合宿(北九州市)から
4月22・23の両日、北九州市の大本筑紫本苑を会場に開催された「第16 回国際エスペラント合宿」(主催・大本筑紫本苑青年部、エスペラント普及会=EPA、ソウル文化学院)を取材した。
この合宿は、国際共通語エスペラントを通して、日本と韓国の交流を図ることを目的に、1991年春に始まった。その後、毎年開かれるようになり、現在は北九州市と韓国で毎年交互に
開催地を変えて開かれている。
最近の日本は『韓流ブーム』、韓国でも日本のマンガや映画などが解禁となり、市民レベルでの意識は変わりつつあるが、日本にとって韓国は長い間『近くて遠い国』だった。
日韓併合時代に端を発した、心理的な溝が両国の間に横たわり、何かの機会にそうした現実に遭遇した経験のある日本人は、筆者を含めて少なくないはずだ。
この合宿が始まった16年前、まだ『韓流ブーム』はなかった。しかし、この合宿にはすでに『日韓の溝』などはなく、エスペラントが、新しい友情体験をもたらし、未来に向かって相互の
心と心をつないでいた。それは、当時エスペラントの初心者だった筆者にも、新鮮な驚きだった。
今回は13年ぶりの参加。なつかしい古巣に戻るような気持ちであった。
合宿が近づくころ、日韓の間でにわかに『竹島問題』が浮上。連日ニュース報道されていた。「合宿に影響は出なければいいのですが…」。
韓国側参加者の到着を待ちながら、誰かがつぶやいた。
実際には、 人もの参加者が韓国から笑顔で到着。
ベテランエスペランティストで韓国側代表の金永明さんは、会話クラスの先生として最初に次のように話された。
「皆で約束しましょう。政治的な話はしないこと。エスペラントは平和のための言葉ですから」。
エスペラントを介しての和やかで暖かい交流は、今も昔も変わらない。
合宿が終わるころ、大学生の金吉映さんが、「エスぺラントは、本当に素晴らしい」と、熱っぽく語りかけてきた。日程上、筆者はお見送りできず残念だったが、
韓国からの参加者一行は、満面の笑みをたたえて帰国したという。
日韓の心と心をつなぎ、感動を生んで16年。それを可能にしてきたのは、日韓双方の関係者の友情と熱意、そして、『神の言葉』『愛の言葉』といわれる、エスペラントそのものが持つ力だった。
(本紙・松本公夫)
(写真下)参加者は、まったくの初心者からベテランまで、年齢も子供から年輩者までさまざま。
エスペラント学習、会話、ゲーム、合唱などを通して友情を育む。
右端の青年が金吉映さん(4月23日、大本筑紫本苑)
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