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「死刑を止めよう宗教者ネットワーク」がアンケート調査

日本の宗教界ではまだまだ低い死刑廃止への理解
今秋、啓発本『共にいのちを考える』を出版

(写真下)今年5月20日、上智大学を会場に開催された「第7回死刑廃止セミナー」(主催・死刑を止めよう宗教者ネットワーク)で、来賓としてあいさつする団藤重光・東京大学名誉教授(元最高裁判事)。団藤氏は最高裁判事時代のある裁判で、無罪を主張する被疑者に死刑判決が下されたとき、傍聴席の被疑者家族から「人殺し」となじられた。その体験から死刑廃止論者になったことを披歴。現在でも死刑廃止を強く主張する第一人者である

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 人類愛善会・大本も加盟している「死刑を止めよう宗教者ネットワーク」(2003年設立)は今秋、死刑廃止への理解を促すことを目的に、 『共にいのちを考える―宗教者たちから見た死刑(仮題)』を出版する予定だ。

 その内容作りの一環として、「死刑制度についてのアンケート」が国内の宗教団体を対象に実施され、その結果がこのほどまとまった。

 それによると、回答を寄せた団体の半数以上が死刑制度について明確な賛否の判断を示せず、また、内部で検討もされていない団体も多いことが分かった。

 日本の宗教界における死刑廃止への取り組みは、まだまだ不十分なのが現状である。

 アンケートは、国内107の宗教団体を対象に実施。そのうち 団体から回答があったが、回答率 %と反応は低調だった。主要な質問に関する回答結果は次の通り。


質問=「死刑制度に賛成か」
賛成=2団体(うち1団体は個人の意見)
反対=9団体
どちらともいえない=7団体無記述=6団体

 「賛成」の2団体中、1団体はその理由を、個人意見として「理由なき殺人である場合、止むをえない」としている。

 もう1団体の賛成理由は、「日本国憲法を守る立場から」としている。

 死刑制度に反対の9団体のうち、8団体は人類愛善会・大本など「死刑を止めよう宗教者ネットワーク」に加盟する団体で、いずれも「宗教的見地から、いかなる場合でも人の命を奪うことに反対」し、「犯罪者が反省の機会を失う」ことも反対理由としている。

 「どちらともいえない」と答えた7団体には、特に理由を記入しない団体、あるいは「個々の判断に委ねている」ところもあり、また、「反対ではあるが、凶悪事件の多発する現代社会においては、厳しい制度も必要である」との考えや、「死刑を執行したところで、犯罪が減るどころか増加している」ことを考え、死刑制度に疑問を投げかけている団体もあった。

 また、「無記述」の6団体は、「教団内でまだ検討していない」を理由とするところが多く、1団体のみ「現在、検討中」としていた。

 以上の結果からも分かるように、回答を寄せた団体の内の半数以上が死刑制度の是非について明確な判断が示せず、検討もしていないところも多い。

 昨今、信じられないような凶悪事件のニュースが流れない日はないほどだ。人のいのちが軽んじられ、殺人事件の多発する昨今、おそらく世間の大多数の人は、「死刑に賛成」との意見を持っているのかもしれない。しかし、死刑もまた、「人のいのちを奪う」ことである。

 「死刑のない未来」に向けて道義的に国内世論を導くためにも、まずは宗教界において議論を深める必要がある。「死刑を止めよう宗教者ネットワーク」では、この本の出版によって、そうした議論が盛んになることを願っている

 私たち人類愛善会員も「一人一人のいのちの尊さ」を自ら考え、身近なところから述べ伝えていくことで、生命軽視の風潮を変えていかなければならない。(木村且哉=人類愛善会事務局国際部員/死刑を止めよう宗教者ネットワーク世話人)



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