モンゴルセンターだより 9
松田達夫(人類愛善会総本部事務局次長)
愛善酵素農法で食糧増産と環境保護を
(写真下)中央県ボルヌールの温室栽培農家を視察する、島本光久愛善みずほ会講師(左)とバトバヤル・モンゴルセンター事務局長
モンゴルでは、遊牧民の減少と都市人口の増大により、農業による食糧増産が急務となっている。このため、モンゴルセンターは、
愛善酵素農法の普及による食糧増産を計画。その一環として、さる6月26日から6日間、社団法人愛善みずほ会講師の島本光久氏を迎えて、モンゴル農業の現状を視察。食糧農業省、国立農業大学や、数カ所の農業現場を訪問した。
この国の農業は約40年前、社会主義体制下で始められた。広い草原と肥沃な土地で、大規模農業が行われた。1960年代から70年代には、旧ソ連の技術指導で120万ヘクタールの農地を擁し、
小麦は輸出されていた。農作物が取れすぎて、現物給与として農作物が給料の一部になったころもある。
ところが現在、農地の総面積は40万ヘクタールへと、かつての3分の1に減少。その原因は、農業の民営化、耕地の細分化により農業機械、灌漑設備に資金が不足し、国民の農業離れで生産力が大きく
低下したことにある。穀物自給率は約35%に落ち込み、小麦の輸入は、この15年間連続して増加。野菜・果物は90%が中国からの輸入だ。
出口王仁三郎初代総裁の提唱から生まれた愛善酵素農法は、土中の微生物の働き(酵素)を活性化し、大地を豊かにする有機農法である。農薬や化学肥料の使用を最小限に抑え、自然を守りながら、持続可能で生産性の高い農業を可能にする。 幸いモンゴルでは、豊富にある家畜の糞や骨粉を利用して、発酵有機肥料が生産できる。「土壌改良は私たちの願いです」と、モンゴル国食糧農業省のバヤンムンフ政策実行委員会会長は話す。しかし、その指導者が不足している。
私たちは、農業に戻ってくる人が現れだしたという中央県の町・ボルヌールを視察。 そこには、旧社会主義時代の温室を譲り受けて、本格的な野菜のハウス栽培をしている人がいた。
それは過去の記憶と勘だけに頼る農業で、農業指導の不足から、必ずしも効率の良いものではない。しかし、島本氏は「ボルヌールの土は農業に適している」と話す。短い夏と、乾燥から作物を守る、灌漑や、温室での限られた耕地面積で最大限の収穫を確保する愛善酵素農法の指導が強く求められている。モンゴルでは、農業を続けようとする人たちが増えつつある。やる気と正しい技術指導があれば、安定した農業生産がモンゴル国民の手で行われる日も遠くないだろう。
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