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『主張』 すべての戦争犠牲者の慰霊・追悼を |
終戦記念日の8月15日、小泉首相が靖国神社に参拝。靖国問題をめぐる議論が激しさを増している。
戦前に国家神道の精神的支柱であった靖国神社は、国家に命をささげた戦没者を「英霊」として祀っている。戦後は民間の一宗教法人となったが、東京裁判のA級戦犯も合祀。首相ほか公人の同神社への正式参拝は、憲法が定める政教分離の原則に抵触し、軍国主義の復活につながるなどの批判を招いてきた。また、アジア諸国も強く反発してきた。
憲法が認める信教の自由の下では、靖国神社の持つ信仰世界も当然、認められなければならない。しかし、同神社の持つ特異な歴史と立場を考えるとき、公人の正式参拝を認めるには限界があろう。
55年前、第2次世界大戦における敗戦から6年後の昭和 (1951)年9月8日、日本はサンフランシスコ講和条約に調印。これにより主権を回復し、国際社会に復帰。民主主義国家として再出発した。
講和条約調印から間もない9月24日、大本は地元の綾部市・何鹿郡6カ村の日清戦争以降の戦没者を対象に、慰霊祭を執行。さらに同年11月1日、出口すみこ二代教主(人類愛善会二代総裁)の発意により、「第2次世界大戦万国犠牲者慰霊祭」(主催=大本・人類愛善会)が行われた。
新生日本の船出に際して、大本・人類愛善会がまず慰霊祭を行った背景には、霊魂は不滅で、霊界(精神界)と現界(物質界)の状態は表裏一体、密接不離の関係にあるとする信仰観がある。神仏の救いの下に、戦争犠牲者の霊魂に平安が訪れ、霊界が浄化されない限り、真の世界平和の実現もない。
この時、「第2次世界大戦万国犠牲者慰霊祭」に参列した遺族は約2千人。来賓・一般参列者は千人に達した。衆参両院議長、東本願寺宗務総長をはじめとする祭詞も呈上され、日米開戦当時のルーズベルト米国大統領(大戦中に死去)夫人はじめ、海外からも多数のメッセージが寄せられ、かつての敵・味方という関係も、宗教・宗派、思想信条の違いも超え、人々は共に祈った。
この慰霊祭はその後、10年おきに「世界平和祈願万国慰霊祭」として執行。また、5年前の9・11米国同時多発テロ事件を契機に、自然災害・不慮の事故などによる犠牲者も含めた「世界平和祈願万霊慰霊祭」を毎年執行。今年も今月11日に行う。
いま、特定の宗教によらない国立の戦没者追悼施設の建設が検討されている。公的な戦争犠牲者の慰霊については、あらゆる立場の人々が違和感なく参拝できる施設でなければならない。
そうするためには、次の諸点が満たされることが大前提となろう。1.国際協調を最優先させ、アジア、世界の平和を希求する日本の姿勢を明確に示す。2.兵士・民間人のいかんを問わず、また日本のみならず、全世界の戦争犠牲者を対象にする。
3.御霊の顕彰ではなく、平和を誓い、追悼・慰霊に徹する。
グローバリズム(国際化)とナショナリズム(民族主義)の調和が問われている今、戦争犠牲者追悼の在り方について活発な議論を期待したい。
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