第8回「世界宗教者平和会議(WCRP)」世界大会・京都
/暴力を否定し、平和への行動を
宗教本来の役割を再認識
/紛争地の諸宗教指導者らも協力誓う
(写真下)
8月26日午前10時半から開かれた開会式。登壇した国内外の12人の代表。左から、出口紅大本教主(人類愛善会総裁)、エラ・ガンジー元南アフリカ議会議員(ガンジー財団)、森清範清水寺貫主、矢田部正巳神社本庁総長、小泉純一郎首相、渡邊恵進天台座主、エル・ハッサンWCRP国際委実務議長(ヨルダン王国王子)、ウィリアム・ベンドレイWCRP国際委事務総長、庭野日鑛WCRP日本委理事長(立正佼成会会長)、ムハンマド・ハタミ・イラン前大統領、ジョン・オナイエケン・アブジャ・カトリック大司教(ナイジェリア)、白柳誠一カトリック枢機卿
第8回世界宗教者平和会議(WCRP)世界大会が、8月26日から4日間、京都市の京都国際会館で開催された。約100の国と地域から参加した800人以上の宗教指導者を含め、2000人が参加。
宗教が暴力の正当化に利用されている現実に屈することなく、非暴力と平和の追求という宗教本来の使命と役割を果たすことを誓った。
WCRP(World Conference of Religions for Peace)は、世界規模での宗教間対話・協力の推進を目的に、1970年に京都で創設され、同年、第1回世界大会を京都市で開催した。
現在は米国ニューヨークに本部事務局と50数カ国に国内委員会を置く、非政府組織(NGO)として活動。世界大会は4〜5年に一回開かれ、今回は36年ぶりの京都での開催で、過去最大の開催規模となった。
今回の大会テーマは「平和のために集う諸宗教 あらゆる暴力をのり超え、共にすべてのいのちを守るために」。イランの民主化を推進したハタミ前大統領、スリランカ和平に力を尽くしたノルウェーのボンデビック前首相、ヨルダンのハッサン王子など、政治家、国家的リーダーとしても強い指導力を発揮してきた宗教者も参加した。
また、イラク、イスラエル・パレスチナ、スリランカなど、紛争当事国からも諸宗教の指導者が参加。本国では難しい話し合いや出会いも、日本では可能となり、今大会での対話を通じ、紛争終結に向けた協力への合意に達した。しかし、本国にはこうした穏健派の対話を容認しない急進派もいるため、当事者の身の安全を図るため、大会での会議や会合の多くは非公開で行われた。
大本・人類愛善会からは出口紅教主(総裁)が正式代表者として、廣瀬靜水総長(名誉会長)、島本邦彦本部長(会長)が代表者として参加。信徒・会員もオブザーバーとして多数参加した。
開会式で、歓迎のあいさつに立った渡邊恵進天台座主は、平和実現への協力と具体的活動は宗教者の責務とし、「私たち宗教者は、神の正義や仏の智慧を説く前に、神の愛や仏の慈悲を実践する平和の名にふさわしい者であるか、深い自省と固い決意を新たにしなけらばならない」と述べた。
日本政府を代表し、来賓として参加した小泉純一郎首相は、中東和平や世界平和の実現について、「日本には他の国とは異なる独自の協力ができる。世界が抱える困難や対立を克服するために、対話を通じて文化や宗教の違いを乗り超え、相互の信頼を深めることは可能だ」と述べた。
大会期間中は5回の全体会議のほか、具体的な行動計画を策定するために、「紛争解決」「平和構築」「持続可能な開発」をテーマにした三つの研究部会のほか、正式代表者会議、
地域別会合などを開催。
また、本大会に先立ち、初めての「青年大会」(21日〜25日)、「女性大会」(24・25日)も開催された。
こうした作業を集約し、閉会式では「京都宣言」を採択。宣言は、社会的、経済的、政治的な紛争の中で、宗教が暴力や憎悪を正当化するために曲解、悪利用されている現実を憂慮し、「メディアは宗教伝統の多様性や、宗教共同体の暴力をのり超え、平和を追求するさまざまな取り組みを伝えず、宗教を紛争の原因としてあまりにも安易に決めつけている」と厳しく非難した。
そして、そういう現実に屈することなく、「各地域において、諸宗教間の協力・協働によって、暴力を未然に防ぐ、あるいは暴力に引き裂かれた社会の再建を強力に推進すること」など、具体的な取り組み内容を列挙して、「諸宗教が共にいのちを守るために行動すること」を確認した。
(写真下)記者会見で、今後の相互協力に合意したことを報告する、
スーダン諸宗教評議会のタイブ・ダイヌール・アビディム事務局長(イスラム、右)とスーダン諸教会評議会のピーター・ティビ事務総長(キリスト教)。
スーダンでは1983年以降20年を超える内戦が続いている。

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