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●新風Nova Vento●


  最近、大阪難波の宮跡で、万葉仮名で書かれた文章の木簡が見つかった。 文字は、「皮留久佐乃(春草の)…」と読め、和歌の枕言葉にあたる部分らしい。 「万葉仮名」の使用開始時期が従来の学説より30 年も早くなる、画期的な資料という▼

 話し言葉としての大和言葉は、もちろん古くからあった。歌謡も短歌を含めて歌い継ぎ、 語り継がれてきた。しかし、わが国で使用された文字としては、大陸渡来の「漢字」が最初で、大和言葉とは 異質な外国語の文字だった▼

 万葉仮名は、その漢字を日本独自の訓み方をして考案された。出土した木簡は、 字くばりといい、筆づかいといい、しっかりした構成で、難波の宮に仕える官吏が手本として使ったのでは、 とも推理された▼

 後に日本人は「平仮名」を発明し、本来の大和言葉を自在に記述するようになった。 そこで何より感銘するのは、表記になおも漢字を用いながら、固有の大和言葉による思考過程や表現は守り通したことだ▼

 昨今、英語を児童教育の必修科目にすべきだとの声も強い。『昔、漢語。今、英語』という構図であろうか。 しかし、言語は民族の思考過程や文化の根幹、いわば生命を形づくる。幼年者を義務的に英語的思考に慣らせば、 民族の文化的生命を危うくする恐れがある▼

 子供たちには、まず日本語の基礎教育が大事で、外国語習得はその上の話であろう。そして、 日本語と共に学ぶべきは、ホマラニスモ(人類人主義)から生まれた国際共通語・エスペラントである。

 


●メディアウォッチ●

ムック本「ニライカナイの日々」

沖縄で自給自足を目指す主婦の本


 自分の手でできることは、なるべく自分でする。そんな『自給自足』の生活を目指し、昔ながらの知恵を活かして沖縄の自然の中で生きる主婦のフォトエッセイ『ニライカナイの日々』(森岡尚子著/ピエ・ブックス)が発売に。

 子育てをし、有機農家を営む夫を手伝う。自然農法の家庭菜園で野菜やハーブを育て、保存食や日常着を作る。冷蔵庫を持たず、せっけんも極力使わない。そんな筆者のライフスタイルが、色鮮やかな写真と穏やかな文章で綴られている。

 昨年出版した『沖縄、島ごはん』(ネコ・パブリッシング)で注目され、TV番組「情熱大陸」(TBS系)にも出演。女性を中心に、静かな話題を呼んでいる。沖縄の伝統的な知恵を受け継ぎ、自然に抱かれるように生活する彼女の理想は、極力自力で楽しく安らかに暮らすこと。そんな暮らしは、実は先人たちが古代から当然のごとく行ってきたこと。便利さを優先してきた現代の生活を見直すきっかけとして、参考にしたい。  (ゆ)

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