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『主張』

社会の健全化は家庭から

 テレビや新聞では毎日のように殺伐とした事件の報道が続いている。親子、兄弟、老夫婦までが殺し合う無残な世の中だ。なぜ、このような社会になってしまったのか。  一日も早く私たちは、命の尊さ大切さを認識し、お互いに助け合い、生きる喜びを取り戻す必要がある。そのためには、社会の基礎となる、家庭を健全なものにしなければならない。

 しかし、この半世紀余りの間に、日本の家庭や家族の形は大きく変わった。

 戦前の日本では、家父長制度に基づく大家族制度が基本だった。祖父母・両親・子供の同居は珍しくなく、世代から世代へと、その家の文化や価値観、暮らしの知恵が伝承され、祖父母も孫世代のしつけなどの役割を担った。

 戦後、特に昭和30年代後半にはじまる高度経済成長時代以降は、祖父母の世代と次の世代が別居する、 『核家族化』が進み、小家族単位での暮らしが定着した。

 さらに、時代が平成に移り変わって20年近くがたつ今、『核家族』どころか『個人家族』という言葉さえ 生まれている。これは造語で、家族として同じ家に住んでいても、親も子供も仕事や学校、塾通いなどのため、 生活時間がバラバラで、一緒に顔を合わせることが極めて少ない、いわば旧来の概念で考える『家庭』が崩壊した、 現代の『家族』の姿を表している。

 では、そうした状況にあって、どうすれば、健全な家庭は築かれるのだろうか。おそらく、 だれもが取り組めることは、『家族そろって食卓を囲む』ことではないだろうか。ある調査によれば、 非行児の食生活は、?三度の食事をきちんとしていない?ファーストフードで済ませている?家族と一緒に食べていない ―との結果だった。

 どんなに忙しくても、週に一度、少なくとも月に一度は、家族が自宅で食事を共にして、会話することは可能だ。それは、最高のだんらんである。温かな家族のきずなを深める場ともなり、子供が心身ともに健康に育つために欠かせないひとときであるはずだ。

 その際、食事には母親の手作りの料理を一品でも加えたい。『おふくろの味』はストレートに、 子供たちに愛情を伝える。

 さらには、その食事の内容も考える必要がある。食物は人間の体だけでなく、実は心をも養っているからだ。例えば、「魚は智的、野菜は仁的食物、米は勇的食物…」(初代総裁著『玉鏡』)というふうに、食物の種類によって、心に及ぼす影響も異なる。バランスよく食べることが大事で、食物の極端な好き嫌いは、子供の性格に悪影響を及ぼす。

 東洋には古来、食を通じて身体と土は一つにつながっているという意味の、「身土不二」という言葉がある。初代総裁も「食は命なり」と教え、「正食」を重視し、社会改善の根本であるとした。

 言うまでもなく、社会は人の集まりであり、家庭は社会の最小単位である。結局、子供が健全に育つ家庭こそが、健全な社会の基礎となる。お互いが健全な家庭をつくることで、相互理解と交流を深める社会の基礎を築き、それによって愛善世界建設に役立ちたい。



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