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●新風Nova Vento●


 「今年も早、師走を迎えました」。月の名を旧暦の和名で呼ぶことなど日常珍しいが、12月ばかりは、 『しわす』という言葉がテレビ・ラジオから聞こえてくる▼

 「師走」の意味は、古く平安末期の文献『色葉字類抄』(橘忠兼)に「師匠の僧がお経をあげるために、 東西を馳せる月」とあり、それが最も有力で一般的な解釈になっているという▼

 他にもいくつかの語源説があるらしいが、「師走」は、年の暮れを控えて万事に忙しくなることを表す、 代名詞のようになって定着している▼

 「忙しい」といえば、「忙」の字は、立心偏(心)に「亡」と書く。俗説では、いそがしいと、 あわただしさから平常な心を失ってしまうからそう書くという▼

 便利な世の中にはなったが、何かとあわただしい。あまりにも心を失った末の事件も多い。 「忙」の字がよく似合う時代だ。この一年の世相を振り返り、『宗教の復権』を願っている人は多いことだろう▼

 今年10月、亀岡市(京都府)の大本本部万祥殿を会場に、さまざまな教団の教学研究者らが集う、 「第5回教団付置研究所懇話会」が開かれた。その会合でも、昨今の社会状況を憂慮し、「各教団がお互いに切磋琢磨 して宣教に励み、現代人に宗教心を伝えよう」との声が上がった▼

 人に社会に、心の豊かさを取り戻したい。人類愛善会も来年、本紙を地域や団体のリーダーに贈呈し、 愛善の心を世に押し拡げる活動を展開する。『心豊かに忙しい』毎日を過ごし、来年の師走を迎えよう。

 


●メディアウォッチ●

映画「硫黄島2部作」

日米両兵の苦悩と誇りを描いた秀作


  巨匠スティーブン・スピルバーグが製作し、名匠クリント・イーストウッドが監督した『硫黄島2部作』は、太平洋戦争の激戦地・硫黄島で戦った兵士の実話を日米双方の視点で描いた話題作。

 公開中の米国版『父親たちの星条旗』では、硫黄島で国旗を揚げたばかりにヒーローとして戦争国債集めに駆り出された、実在の若き米兵3人の苦悩を綿密に描いている。

 一方、今月公開の日本版『硫黄島からの手紙』では、多勢に無勢の状況下で地下要塞を築く頭脳戦で応戦した、実在指揮官の栗林中将ら兵士数名の壮絶な最期をリアルに再現。2本とも、史実をもとに実在の人物の体験や素顔を描くことで、彼らの心情を身近に感じられるよう配慮されている。

 実際に撮影が行われた小笠原諸島の硫黄島には、今なお1万人以上の遺骨が眠る。日本人の一人として、先人たちの苦難を知る必要があるのでは? それを体感できる、良い機会だ。 (ゆ)

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