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『主張』 土から生まれた野菜こそ最高 /安全な農と食のために |
日本でビニールハウスによる野菜栽培が盛んになったのは、
昭和 年代に入ってからのこと。
山間地など耕作面積の少ない地域や、気候条件などの農業を営むための諸条件が、
他の地域に比べ不利な地域などで、それが利用されるようになった。
夏野菜が冬に栽培され、年末から年明けにキュウリやトマト、なす、スイカ、
などが食品売り場に並べられるようになった。
消費者は季節以外の時期にもかかわらず、このような野菜が食材として利用できることは便利でもあり、
珍しさも加わって消費量が年々増加。現在ではそれが当たり前と言う状況だ。
一方、生産農家にも、季節以外の時期の野菜は市場価格も高く、
2倍から3倍の高値で取引され、高収入を得ることが出来るメリットがある。
限られた小面積で付加価値の高い農作物が栽培できるとあって、
ビニールハウスを利用する農家が増え続けた。
現在どこの農村へ行っても、ビニールハウスが当たり前の光景となった。
ひと頃、ハウス栽培の野菜は季節感がない、栄養価が少ない等、
一部の消費者などから批判の声が上がった時期もあったが、そんな声も今では聞くことはなくなってきた。
基本的に農業は土を土台に成り立っている。ハウス栽培であっても、
土を土台にしていることに違いはなかった。しかし最近、土を全く用いない、新たな農業技術が普及しつつある。
ビニールハウスではなく、普通の工場のような建物の中で、土ではなく、
水と人工光線を利用し、コンピュ-ターで温度や湿度、水に混合する肥料、
光線を当てる時間や明るさなどをコントロールして野菜を育てる、
いわゆる"野菜工場"だ。葉野菜など比較的栽培が容易で、
しかも消費者にも人気のある野菜の"工場栽培"が増えている。
栽培できる野菜の種類はまだ限られるが、全国約 カ所でそうした工場が稼動中だという。
工場内は屋外と遮断されているため害虫や病原菌の侵入がなく、
殺菌剤や殺虫剤などを使わない無農薬栽培が可能であるほか、"有機栽培野菜"としても出荷できるとか。
工場によっては、レタスが毎日500個、一年間一日も休むこと無く収穫でき、出荷価格も変動しないという。
しかし人間は元来、農と食を通して"土より生まれ、土に還る存在"だ。
長い人類の歴史の中で、農耕は世界各地で様々な文化を育んで来た。
それらはすべて自然環境のもと、土を基礎として生まれている。
工場栽培された野菜に、土で育った野菜と同じぬくもりを感じることはできない。
栄養価や安全性の面ではどうなのか、不安も残る。
現在のハウス栽培の場合でも、レタスのビタミンCの測定例では、
100グラム中、露地栽培(自然栽培)のものが8ミリグラムだったのに対し、
ハウスものは、半分の4ミリグラムしかなかったことが報じられている。
同様のことは他の野菜でも証明されている。
農業の後継者不足が著しい現実の中で、
工場栽培の技術も開発されているのかもしれないが、
人が直接土と触れ合って営まれる農業と、そこから生まれる野菜が、やはり最高ではないだろうか。
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