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★日本の国会決議に続こう
/世界連邦運動世界大会(ジュネーブ)が決議
戦後60年の努力が世界をリード
一昨年8月、衆議院で「政府は、世界連邦実現への道の探究など、
最大限の努力を払うべき」と明記した、「戦後60年決議」(世界連邦国会決議)が採択された。
今年8月末、スイスのジュネーブで開かれた、第25回「世界連邦世界大会」では、
この成果をあらためて世界にアピール。
大会最終日には、「日本の国会決議に続き、各国で国会決議を進める」との内容を盛り込んだ大会決議を採択。
また、人類愛善会の提案を加え
「"世界連邦運動のための国際宗教連合"の創設をめざし、すべての宗教と緊密に協力していく」との決議も採択された。
「原爆の惨禍、戦争を二度と起こさせない」という強い意志を持って歩んできた、
日本の世界連邦運動の成果が今、世界を動かしつつある。
(写真左)最終日の全体会議での決議案採決。
緑の賛成票を掲げているのは議決権のある代議員たち。
世界連邦運動は、「世界法」の下に「世界政府」を組織し、
「法の正義と支配」によって、世界を平和に治める運動。
世界大会における議論や採決も徹底して民主主義の原則に従って行われる。
個人の意見や発案も、必要なプロセスを経て全体に受け入れられれば、大会の総意として決議される
(写真右)会場となった世界気象機構(WHO)。
ジュネーブは国連欧州本部や世界保健機関(WHO)などの国連機関や、各種の国際機関の置かれた国際都市だ
世界連邦運動(WFM)本部が主催する「世界連邦世界大会」は、
近年は4年に一度のペースで開かれている。
大会では、WFMの組織運営の関連事項の審議のほか、
各種分科会を通して今後取り組むべき具体的課題を多項目にわたって決定し、
大会決議として採択する。
また、各国の加盟団体や関連団体が、
前回の大会以降の活動内容を報告する。そのWFMと世界大会の歴史は長い。
世界連邦の実現を唱えて活動する団体は、
第2次世界大戦以前からあった。広島・長崎への原爆投下により、
核兵器による人類破滅の危機が現実のものとなり、その運動は一気に活発になった。
大戦終結直後の1946(昭和21)年10月、
14カ国 から30団体がルクセンブルグに集まり、
WFMの前身である「世界連邦政府のための世界運動」(WMWFG)を結成。本部をジュネーブに置いた。
翌年8月、第1回世界大会をモントルーで開き、
その後の運動の基本原則を確認し、「モントルー宣言」として発表した。
日本では翌48(昭和23 )年8月、世界連邦建設同盟(現・運動協会)が発足。
あくる年5月には出口すみこ大本二代教主が世界連邦運動への取り組みを指示。
同年12月、35(昭和10)年の第2次大本事件以来休止していた人類愛善会を再発足させ、
自ら先頭に立ってこの運動を推進した。
(写真左)全体会議で日本の国際刑事裁判所加盟と世界連邦国会決議についてスピーチした後、
ルイス・ウィルソンWFM会長代行(カナダ上院議員)ら本部主脳と握手する植木光教世界連邦推進日本協議会会長
その後、49(昭和 )24年には「世界連邦国会委員会」が発足。
55(昭和30)年には「世界連邦宣言自治体全国協議会」が、
58(昭和 )33年には「世界連邦全国婦人協議会」が、
67(昭和42)年には「世界連邦日本宗教委員会」が結成された。
さらに 91(平成3)年、これら団体の連絡機関として「世界連邦推進日本協議会」が発足した。
1950年代以降、アメリカ、ソ連などの核兵器開発競争が激しくなるとともに、
世界連邦運動は国際的に大きな盛り上がりを見せた。
とりわけ、原爆による広島・長崎の惨禍を経験した日本の市民には特別の思いがあり、
「世界連邦を日本の国是に」は長年の悲願だった。
59(昭和34)年には人類愛善会を中心に、
「世界連邦国家宣言運動」を展開。
わずか一カ月で全国で130万人の署名を集め、政府に提出した。
その後も国会決議を求めるさまざまな市民の働きかけや、
国会内の努力があったが、実現に至らなかった。
一昨年の国会決議は、今現在この運動に携わっている人々だけでなく、
すでにこの世にはない、多くの先人達の思いもこもる決議であったと言えるだろう。
8月28日の開会式で、植木光教世界連邦推進日本協議会会長は、
日本の世界連邦運動を代表してスピーチ。
日本が今年7月、ICC(国際刑事裁判所)条約に加入し、105番目の加盟国となったこととあわせ、
一昨年の世界連邦国会決議についてあらためて報告。
「どうか、日本の決議に続いて各国の議会でも、
同様の決議を実現させていただきたい」と力強くアピール。
その呼び掛けに、各国の参加者は盛んな拍手で応えていた。
日本のWFM関係者は大会中、第2分科会「平和、人間の安全保障と紛争防止」に参加し、
「各国でも日本に続いて国会決議が行われるよう働きかけること」と、
「ICC条約に核兵器の禁止を明記させるべきこと」を分科会決議に盛り込むよう提議。
また、後述のように、「世界連邦をめざす国際宗教連合の創設」という文言を提起。
いずれも分科会決議に盛り込まれ、最終日の全体会議大会の決議事項として採択された。
過去の決議や運動の実績を踏まえて採択される大会決議は、
今後の世界連邦運動の行動指針や努力目標となる。会場では、
「自分の国でも国会決議を実現させたいが、
日本はどういう方法で成功させたのか知りたい」などの声が、
日本のWFM関係者に届いた。
●すべての宗教との協力も決議
「世界連邦を目指す国際宗教連合」の創設に向け
(写真)第2分科会はキース・ベストWFM本部執行理事長(イギリス、右端)を議長に開かれた。左端に稲垣副会長
会では第1分科会『国際正義、法の役割と人権』、
第2分科会『平和、人間の安全保障と紛争防止』、
第3分科会『国連改革と世界統治』、第4分科会『地球環境と世界経済の統治』の4文科会に分かれ、
二日間にわたり討議。第2分科会の初日にはキリスト教関係者らから
「世界連邦運動への参加を世界の宗教界に呼びかけるべき」との意見が出された。
今回の世界大会には人類愛善会から稲垣裕彦副会長と松本公夫編集部主事(筆者)が出向。
二日目の第2分科会で稲垣副会は、
「さらに具体的目標として、『世界連邦実現をめざす国際宗教連合の創設』を加えてはどうか」と提案。
受理された結果、「"世界連邦実現をめざす国際宗教連合"の創設に向け、
世界連邦運動は世界のすべての宗教と緊密に協力していく」との文言が、大会決議の一項目として採択された。
今年1月に逝去した廣瀬靜水人類愛善会名誉会長は、
「今や世界連邦日本宗教委員会をさらに発展させ、世界連邦世界宗教委員会をめざすべき時」と提言していた。
各国のWFM関係者には、宗教者も少なくない。
時を同じくして、国際的な世界連邦運動の中でも、
宗教界に広く運動の輪を広げたいとの意識がすでに生まれており、
こうした流れは、今後の国際的な世界連邦運動の新しい方向として注目される。
日本の世界連邦運動は、市民運動、政界、宗教界、自治体、婦人団体など、
多分野で組織的に、しかも相互の協力関係を持ちながらに活動を進めきた。
こうした例は世界にない。世界に先がけた、
過去 年の日本の努力と実績が、一つの好例として世界の運動をリードする。
そんな時代を迎えているのではないかと感じさせる大会であった。
(本紙・松本公夫)
(写真)「日本の国会決議に続きたい」と語ったピーター・ラフ氏(「欧州統合運動・イギリス」会長)と稲垣副会長
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