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アメリカの犯罪被害者は語る ★「死刑では決して癒(いや)されません」 人は復讐(ふくしゅう)心だけでは生きられない 死刑制度の問題点を考える講演会『犯罪被害者遺族と死刑』が、 10月29日、神戸学院大学法学部刑事法講座の主催で、 同大学ポートアイランドキャンパスで開かれた。 犯罪で愛娘を失いながらも死刑に反対している米国人・バド・ウェルチさんと、 米国に在住し、少年死刑囚を撮影し続けている写真家トシ・カザマさんが、 被害者の思いや死刑制度の実態や矛盾などについて語った。 「死刑では被害者の心は決して癒されません」。 ウェルチさんはそう訴えた。
(写真)講演するバド・ウェルチさん(神戸学院大学で、10月29日)
1995年、ウェルチさんは一人娘ジュリーさんを、オクラホマ州で起きた連邦政府ビル爆破事件で失った。 その爆破テロ事件では168人が死亡。 主犯のアメリカ人青年は、2001年に死刑を執行された。 犯行の動機は、自分が91年の湾岸戦争に従軍させられたことに対する政府への報復だといわれている。 「その事件の前まで、私は頭の中では死刑廃止論者でした」というウェルチさんも、 事件後には、犯人の死刑を強く求めた。 しかし一年後、「私の犯人に対する復讐心や憎悪は、 犯人の犯行の動機と同じ心情だと気付きました。 復讐心が私の娘を殺したのだと理解できたとき、 やっと私の中に癒される気持ちが生まれ、 醜い復讐心や憎しみそのものである死刑を望まないと思うようになりました」 死刑判決の確定後、犯人の家族と面会。 苦悩し、涙を流す犯人の父親の姿に接し、「私以上の被害者だと感じました」という。 「死刑は被害者の心に何一つ平安や幸せを与えません。 多くの人は、死刑執行が被害者の心を癒すと思っていますが、それは間違いです」と、 死刑に対する誤解を指摘した。 また、連邦政府ビル爆破事件の直後、 全被害者家族2千人のうち死刑賛成派は85%にのぼったが、死刑執行後には50%、 執行後6年たった現在はたった20人前後まで減ったことを紹介。 「時間の経過が、被害者にとって大切です」と述べた。 4年前、通り魔的な暴漢に襲われ、今も後遺症を抱えるカザマさんも、 「被害者やその家族は、時の経過とともに、愛や希望を見いだし、 憎しみや怒りにかられていた心境も変化していく。 私もそういう人々に出会ってきました。 人は、復讐心だけでは生きられません」と付け加えた。 カザマさんは、96年以降、米国や台湾で少年死刑囚や死刑執行の現場などを撮影。 死刑に対する「想像」と「現実」とのギャップを伝えたいと、講演や写真展示などの活動を続けている。 「死刑囚の境遇や、えん罪の可能性、執行人の苦悩など、死刑にはさまざまな問題があります。 被害者には、経済的援助や精神的なケアが必要で、 『自分がもし被害者だったら、当然犯人の死刑を望むだろう』といった同情は、第三者の勝手な想像にすぎません」 講演後、学生からは、質問や意見が相次いだ。 「被害者、加害者ともに家族がいて、双方が苦しむのが犯罪。 報復の連鎖を断ち切ることが必要」 「なんとなく死刑に賛成でしたが、あらためて死刑制度の問題点が分かりました」。 二人の講演に、若い世代も死刑制度の真相に気付かされた様子だった。 両氏は、10月23日に来日。各地で精力的に活動し、人類愛善会総本部にも滞在。 カザマさんは5回目の総本部滞在で、初来日のウェルチさんとともに 島本邦彦人類愛善会会長はじめ総本部職員らと改めて懇談の場を持った。 カザマさんによれば、日本は、生活が豊かで幸せなためか、 諸外国に比べて死刑の問題について市民の反応が鈍く感じられるという。 日本では死刑制度存置派が8割を占めるといわれているが、その多くが、死刑の現実を知らない、 "勝手な想像"による賛成派なのかもしれない。 カザマさんは、来春にも再び来日して講演する予定だという。 一人でも多くの人に、耳を傾けて欲しい。
(写真)学生たちの質問に答えるトシ・カザマさん(左)。 神戸学院大学法学部では日ごろから学生を対象に人権問題の啓発に取り組み、 その一環として今回の講演会を開いた |
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『あなたの胸にも宇宙紋章を!』 会員バッチを新たに制作
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●新風Nova Vento●
▼今年も12月号を発行し終えた。
またたく間に一年が過ぎ去ったように感じられるが、
人類愛善会にとっては、重要な諸行事が続いた
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