しんぶんろご しんぶんろご3月号  P1   P2   P3   P4   P5   P6   P7     バックナンバー   TOP 



『主張』

エスペラントの精神に学ぼう

 国際化時代、あるいはグローバル化の時代と言われて久しい。その中で英語は、ビジネスや学術、インターネットなどの分野で最も使用頻度が高く、実用面で有益な言語となっている。今や、世界的に使用者、学習者が最も多い言語だ。

 しかし、それだからといって、「英語は人類の共通語である」、あるいは、「そうなるべきだ」とは言えないだろう。英語を使用しつつも、心理的な抵抗感があることも否めない。

 梅棹忠夫京都大学名誉教授(民族学)は次のように話す。

 「英語を話す人が多数存在するから、国際的コミュニケーションは英語でやるべしというのは暴論である。 それなら、英語を母語として育った人、あるいは英語を日常語としている人たちが絶対的に優位に立つ。 それが『言語的大国主義』なのであり、その立場を小国の人たちに押し付けるのが『言語的帝国主義』なのである。ハンディキャップを強制するものである。ハンディキャップと差別こそは、人間にとって諸悪の根源である」 

 歴史的に見ても、大国の言語はいつも支配的な立場に立ってきた。特に、植民地主義、帝国主義の時代には その傾向が顕著であった。そして今日も、それに似た状況を英語に見ることができよう。

 今から120年前の1887(明治20)年、こうした問題を解決しようと、国際共通語「エスペラント」を創案したのが、ポーランドの眼科医・ラザロ・ルドビコ・ザメンホフ博士である。

 ザメンホフ博士は、各国民が母語とする民族語以外に、一つの中立的な共通言語を持つことができたら、どんなにか便利であり、同じ人類としての一体感を共有でき、世界平和の実現にも大いに役立つに違いないと考えた。その思想は「ホマラニスモ(人類人主義)」と呼ばれる。

 エスペラントは、簡便で実用性に富む言語としてだけでなく、人類全体を一つの心で結ぶ、精神運動として発展させなければならない、と言われる理由がそこにある。

 現在、世界120カ国・地域に100万人のエスペランティスト(同言語の使用者)がいる。日本では約1万人が さまざまな分野で活用中。「そもそも人類は本来兄弟同胞であり、一心同体である」と創立主旨にうたう人類愛善会は、 1925(大正14)年の創立以来、会員の内外にエスペラント運動を推し進めてきた。

 折しも今年8月、横浜で「第92回世界エスペラント大会」が開催される。日本での世界大会は、1965 (昭和40)年の東京大会以来42年ぶり2度目で、既に国内外から1200人を超える参加申し込みが届いている。

 また、同大会後には綾部・亀岡両市で、10数カ国から60人余りの海外エスペランティストの参加を得て、国際友好行事「Bonvenon al Oomoto en 2007!」(主催=大本・人類愛善会・エスペラント普及会)が盛大に開催され、その最終日には大本長生殿で、世界を厚く覆う有形無形の障壁を打ち破る神事「大本歌祭」が、エスペラントによって厳粛に執行される。

 長い歴史から生まれた民族・宗教・国家間の相互不信は21世紀を迎えた今も、深刻な紛争となって世界を 覆っている。今こそ、エスペラントの精神に学ぶ時ではないか。ひとりでも多く、この夏の両行事に参加し、 エスペラントの世界に触れるよう呼びかけたい。



前へ   次へ

バックナンバー

TOP