農ではぐくむ心と体
★大地に触れよう!
〜「有機農法専門家による家庭菜園研修会」が教えてくれること〜
残留農薬が心配される輸入野菜の問題や健康志向の高まりから、
無農薬有機栽培が注目されています。
人類愛善会とも関係の深い農業団体の(社)愛善みずほ会(亀岡市)は、
3年前から毎年、一般市民を対象にした「有機農法専門家による初めての家庭菜園研修会」を春から夏にかけて開催。
農業技術だけでなく、“農のこころ”を教えてくれるとして大好評です。
今年の研修会を訪ねました。
「土はいのちの源」
「さまざまと世はかわれどもかわらぬは 月日と土のめぐみなりけり」
昭和23年に愛善みずほ会を創立した、出口すみこ人類愛善会二代総裁は、
自然の恵みへの感謝や農の大切さを詠んだ数多くの歌を残しています。
愛善みずほ会は、そうした自然や農を尊ぶ精神を大切にしながら、
人間と大地に優しく、しかも生産性の高い有機野菜の栽培技術である
「愛善酵素農法」の指導・普及を続けています。
この研修会は、その農法の普及を図る目的と同時に、
「普段、土に触れる機会の少ない人に、大地の包容力を肌で感じてもらいながら、
自分で作物を育てる喜びや楽しさを知ってほしい」という願いから企画されました。
(写真上)「男結び」の仕方を島本会長(左端)が伝授。
倒木予防のため、支柱を4本使った「開芯型整枝法」をナスに施します。
上からのぞくと支柱が円すい形に見えるプロの技
★良い感情が野菜を育てる
今年の3講目(全5回)当日の5月26日。
参加者17人は3班に分かれて、各班4坪の畑で作業開始。
講師の島本邦彦愛善みずほ会会長の指導を受けながら協力して、
2週間前に自分たちで植えた三度豆、ナス、キュウリ、トウモロコシに肥料などを施し、
支柱やネットを張っていきます。
「人間のできる作業をした後は、自然にまかせるしかありません。
ほかにできることといえば、『おいしい野菜ができますように』と、作物にお願いすることくらいですね。
でも、皆さんの『農作業をすると気持ち良い』とか、
『整ったきれいな畑だな』という良い感情が作物に伝わって、おいしい野菜が育つものです」と、島本会長。
栽培の心構えを語りました。
愛知県の外山弥生さんは車で約4時間かけ、
サラリーマンの夫・恒夫さんと毎回参加。
「身近には無農薬の安心して食べられる野菜が手に入りにくいので、
初参加した去年の研修会を参考に、家庭菜園を始めました。
失敗の原因や疑問点が今年の受講でよく分かり、とても充実しています」と、参加の喜びを語っていました。
★心と体の健康を
土は、いろいろなことを私たちに教えてくれます。
「畑の作業では、地球の中で生きもの、万物が共存しているということを実感しながら、
毎回、楽しく過ごさせていただいています」
(第1回同研修会参加者の感想)。
この研修会に主催者として運営に携わっている青嶋靖農事部長は、
「人類が農耕を開始した1万年も前から、土を耕し作物を育てる文化は受け継がれ、私たちは食料を得ています。
土はすべての生き物の命の源です」と話します。
今、一般に売られている野菜は、人体にも大地にも負担が大きい化学農法によって生産された作物が大半です。
さらに最近では、低細菌状態に保たれた屋内の人口光の下で、
人工的に水栽培された野菜が、無農薬で「安心・安全」の健康野菜だとして扱われるようになり、
一部では土を軽視する風潮もあります。
科学技術の恩恵にあずかる一方で、太古の昔より人類が培ってきた、
自然に根ざした農の文化を失っていく私たちは、同時に精神的豊かさや、
自らの健康をも無くしつつあるのではないでしょうか。
研修会の将来について愛善みずほ会は、「市の協力も得て生涯学習の場として提供し、
より多くの人に農に親しんでもらい、農の意味を伝えていけたらと願っています」と。
日々欠かせない食材の野菜が、どこでどのように育てられたものか考えてみたり、
家庭菜園やプランター栽培を始めてみたりする。そんな身近なことが、農を知り、
心身を健康に導く第一歩だと、取材を通して感じました。(み)
(写真左)前日の大雨がうそのような晴天に恵まれ、開放感でいっぱいの作業でした
|