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『主張』

日本こそ「世界連邦」の提唱を /原爆の日に寄せて

 原爆の日が巡ってきた。 62年前、一般市民 数万人が一瞬のうちに焼殺され、 深刻な後遺症は今も続く。 広島・長崎の犠牲者に対し追悼のまことを捧げるとともに、 人類が同じ悲劇を二度と繰り返さない誓いを新たにしたい。

 いうまでもなく、原爆投下は「しようがない」で済ませられるような問題ではない。 戦争を直接・間接に体験した人々は減少し、 国民の大半が戦争を知らない世代となった。 早くも一部に、独立自尊の名のもとに軍事力強化を容認する風潮が台頭している。 まことに浅慮で危険な兆候である。

 そもそも、国家主権を至上のものとして国と国がせめぎ合う、 "われよし・強いもの勝ち(利己主義と弱肉強食)"の国際社会に真の平和はあり得ない。 世界平和のためには日本国内と同様に、世界にも法の支配が必要である。 法の支配とは「世界連邦体制」にほかならない。 核時代のいま、全世界の安全保障に優先する重要課題はない。 ほかにも一国では対処しきれない課題が山積している。

 国際連合は、最大の国際機関として、 創立以来 年間、国際平和の維持創造に力を発揮し、付属機関も諸課題の克服に貢献してきた。 しかし、加入・脱退が自由で、内政不干渉が原則、 しかも第二次大戦の戦勝5カ国が常任理事国として拒否権を持つ国連体制では、 今後の世界の安全保障機能を十分果たすことはできない。

 究極的な世界平和のためには、各国の軍備を撤廃して世界連邦体制に移行し、 浮いた軍事費で貧困を撲滅することが必要なことを、 非常任理事国187カ国はこぞって願い、また常任理事5カ国も本心では承知しているに違いない。

 その実現を妨げている根本原因は、 利権に結びついた軍産共同体が国政を動かす構造から脱却できないことにある。 また、世界連邦への移行をリードできる国が現われていないことにもある。

 "われよし・強いもの勝ち"の国のあり方は遠からず行き詰まる日が来ようが、 世界連邦へ移行するリーダーたる国の資格は何か。 それは平和に徹し、大多数から共鳴信頼される国でなければならない。

 日本は、第二次大戦における内外の多大な犠牲の上に、平和国家として生まれ変わった。 国連PKOで自衛隊の海外派遣を行なっても、一度も外国軍隊と交戦し相手を殺傷したことがない。 年余にわたる日本の非戦実績は世界に誇るべきものである。まことに非戦こそ日本の悲願である。

 国連諸活動も、いまや日本を抜きにしてはあり得ない。 日本が世界平和確立のために世界連邦建設を提唱するならば、 世界の大多数の国々から支持されるに違いない。要は日本の覚悟と決断にある。

 2005年8月、日本国会は既に次の通り決議、宣言した。 「政府は、日本国憲法の掲げる恒久平和の理念のもと、 唯一の被爆国として、世界のあらゆる人々と手を携え、 核兵器の廃絶、あらゆる戦争の回避、 世界連邦実現への道の探究など持続可能な 人類共生の未来を切り開くための最大限の努力をすべきである」

 日本は、国家として、世界連邦建設を全世界に提唱すべき時を迎えている。

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