誰にでもわかるパレスチナ問題(その19)
「9.11」 2001年9月11日15時頃、筆者撮影
NPO法人大本イスラエル・パレスチナ平和研究所
主任研究員 矢野裕巳
(その1)
(その2)
(その3)
(その4)
(その5)
(その6)
(その7)
(その8)
(その9)
(その10)
(その11)
(その12)
(その13)
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(その19)
(その20)
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(その40)
(その41)
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(その49)
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(その51)
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(その56)
(その57)
(その58)
(その59)
(その60)
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(その65)
『どうやらこれは、パレスチナ過激派の仕業らしい』また『世界貿易センターに勤めるユダヤ人をターゲットにしたテロらしい』『 ニョーヨーク金融界を牛耳るユダヤ人排斥運動の始まりだろう』あるいは『いやいやこれはむしろユダヤ人自身が仕組んだテロである』
2001年9月11日、午前9時頃であったと記憶しています。セントラルパーク西81丁目、エクセルオールホテルのロビーでの宿泊客や従業員との会話である。根拠のないデマがマンハッタンを駆け巡っていました。
9月13日の国連総会に先立つ各宗教代表者の祈りの集会に出席する出口眞人氏と共に私は通訳として9月10日の夜、ニューヨーク入りしていました。テロの直前まで私は、二人のユダヤ人と電話をしていました。同じようにニューヨーク入りしていたデービット・ローゼン師(ユダヤ教ラビ)とフィラディルフィアに滞在していた、マイケル・ライナー博士でした。それだけにロビーでの『ユダヤ人への攻撃』との会話は私にとってショッキングなものでした。
実は日本を離れる5日前にジェームス・モートン ニューヨーク宗際センター所長からファックスが入り、9月11日に開催される、エルサレム問題の討論会と昼食会に大本からも出席して欲しいとの要請があり、予定を1日早めて9月10日に関西空港を出発していました。もし、予定を変更せず9月11日に出発していたら、困難な中で開催された13日のコフィ・アナン国連事務総長を迎えての祈りの集会に出席出来なかったでしょう。また、米国に入国する事なく、恐らくはカナダのどこかの空港で少なくても1週間は缶詰め状態になったと思われます。
ほとんどの行事がキャンセルになる中で、9月13日、ミッドタウンにある聖バーソロミュー寺院で大本を含め15の宗派の祈りが捧げられました。イスラム教の代表者が祈りのなかで、今回のテロを強く非難、イスラムの教えに真っ向から相反する行動であると述べた時は500人をこえる参列者から大きな拍手がおこりました。
最後に挨拶に立ったコフィー・アナン氏もテロに対する非難とともに、安易な報復に対する警告を発しました。暴力に対する暴力の報復は、真のテロ撲滅にはつながらないと繰り返しました。テロから2日後の米国の世論を考えればかなり勇気ある発言であったと思います。
航空チケットを変更する事なく、私達は9月16日午前9時のフライトでニューヨークを離れました。デトロイトを経由しテロ後、米国からの初めてのフライトで関西空港へ17日帰国しました。
私にとって生涯忘れる事の出来ない8日間でした。テロ直後はしばらくは帰国出来ないかもしれないと考えたこともありましたが、丸4年たった今でも鮮明に覚えている事が2つあります。
ラガーディア空港を離陸した直後、機内から今だグランドゼロから立ちこもる煙を満席の乗客すべてが見つめていた事。少なくとも私の席から見える範囲において全員が見つめていました。
もう1つは、ラガーディアからデトロイトに到着するとすぐに銃をもった男女2名の兵士が機内に乗り込み私達の席の3,4席前のアラブ系の人物を連行した事でした。機内は凍りついたような雰囲気になりました。テロの犯人逮捕か? 私を含めて何人かはそう考えたに違いありません。後に米国は9.11後多くのアラブ系の人々を連行しその大半はテロとは何ら関係ない無実の人達でした。デトロイトでの人物もその中の一人であったのでしょう。
冒頭でのユダヤ人へのデマ、同時多発テロ後のアラブ系民族への無知。パレスチナ紛争を含め多くの紛争は誤解と相手への恐怖からの偏見がその根本的要因として存在しているのではないでしょうか。
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