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誰にでもわかるパレスチナ問題(その24) 

NPO法人大本イスラエル・パレスチナ平和研究所
主任研究員 矢野裕巳

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次の世代には・・・


photo 「やっぱり無理かも」

 2005年4月11日夕刻、東エルサレムのアムバサドールホテルでおよそ2年ぶり に、綾部プロジェクト参加者に再会しました。パレスチナの子供は7人全員、イスラ エルの子供は、兵役についたり海外に留学している関係で4名の参加でした。

 イスラエル、パレスチナの付き添いや子供達の父母や兄弟も数名来てくれ、 全部で22名の交流会となりました。お互いに相手を確認し抱き合って再会を喜びました。そ の後、ジュースとお菓子で『平和』についての討論会を2時間あまり持ちました。 激しい討論でした。元来、静かに相手の意見に耳を傾け、指名を受けてから自分の意 見を控えめに述べる多くの日本人には、討論というより罵りあいに写るはずです。

 「イスラエル人のパレスチナ人に対する横暴なる暴力」
「パレスチナ人が自爆テロを止めない限り平和は来ない」
「どうして自爆テロがおこるのかをイスラエル人は考えた事はあるのか」
 イスラエル、パレスチナ討論会でのお決まりの双方の意見です。

photo  パレスチナ人のサジャの言葉で、参加者はしばらく沈黙しました。
「日本、綾部にい る時、私はイスラエル人ともうまく、やっていけるかもしれないと思いました。でも 家に帰り、日常の生活に戻ると、やっぱりイスラエルとの共存は無理かもと考えるよ うになりました。」

(写真右)向かって左端の女の子がサジャ



       

川をこえる橋

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 4月13日、イスラエル第3の都市ハイファから南東50キロ、アラブ人の 多く住むカラという村を訪れました。

 この村に『川をこえる橋』という学校 があります。(写真左)

 エルサレムにあるハンド・イン・ハンド(手に手をとって)というNGO によってイスラエル、パレスチナの平和的共存を担う次世代の人材育成をめざして設 立されました。

  photo 幼稚園から小学校3年生100数名のユダヤ人、アラブ人が同じ教室 で同数ずつで学んでいます。
 それぞれのクラス担任にはユダヤ人、アラブ人教師があ たります。またすべての授業はユダヤ人、アラブ人教師がそれぞれヘブライ語とアラ ビア語で教えます。 たとえば算数の授業は最初の15分はヘブライ語でそして次の15分はアラビア語でというように進められます。

 1年間で生徒は両方の言語を理解出 来るようになります。お互いを理解するにはお互いの言語を理解しなければならない と考えているのです。

photo    3年前に設立されたこの学校は年々規模が大きくなり、 今年2006年には200人規模の学校になるそうです。この種の学校は、エルサレムとガ リラヤにもあるそうです。

 子供を『川をこえる橋』に通わせている母親のカーメルさ んに話を聞く事ができました。

 『私達の世代は生まれた時からお互いの偏見を持って育ってきました。自分達の次の 世代に、そのような偏見を持たず、お互いの言語と文化を理解する子供達を育てる事、 またそのような環境を作り上げる事が平和を築く最も確実な道だと思います。』 そ して彼女は次のように言いました。

 『我々の世代での平和はあきらめました。でも次の世代には是非本当の意味での共存 実現を願います。またその強い願いのもと私達は子供達をこの学校に通わせているの です。』


 ユダヤ人、アラブ人の子供達が一緒に遊び、無邪気に笑っている姿を見て、平和 の意味を改めて感じた一日でした。

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(写真)仲良く遊ぶユダヤ人の男の子とアラブ人の女の子



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