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誰にでもわかるパレスチナ問題(その37) 

NPO法人大本イスラエル・パレスチナ平和研究所
主任研究員 矢野裕巳

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米国の役割、日本のアプローチ

(写真)大本本部で開催の「イスラエルの夕べ」

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米国の役割

世界の紛争解決の鍵を握るのは米国である事を否定する 人はいないでしょう。

パレスチナ問題解決にとって最も必要な事は、いかに米国がこの問題に 深く関与するかであると思います。市民レベルの草の根運動の重要性を 認識し実践する事、また国連外交を機軸にする事は当然のことですが、 米国の公平な仲介がなければパレスチナ問題も実質的な進展はないと思 います。



米国はイスラエル偏重か?

パレスチナ問題で必ず出てくる問題は、米国のイスラエルへの一方的擁 護とも受け取られる行動です。

国連の場でイスラエル非難に対する決議を出しても必ず米国が拒否権を 発動するという新聞記事を読まれた事があると思います。

米国のユダヤロビーの強さやキリスト教右派のイスラエル支持等もよく 話題にのぼります。私自身はイスラエルやユダヤ人へのあまりにも固定 化された多くのイメージは誤解であり間違いであると思っています。

photo 2007年3月15日、大本本部で開催の「イスラエルの夕べ」でアビタル・ バイコビッチ女史(写真右) は来日以来同じような質問を日本から受けて少々閉口 していると語っていました。

「ユダヤ人は金持ち?」 「ユダヤ人は頭がいい?」「ユダヤ人は米国を世界を支配している?」 「イスラエル諜報機関は本当にすごいのか?」などです。

文部科学省の奨学生として上智大学大学院博士課程で学ぶ彼女は頭脳明 晰である事は確かでしょうが、金持ちでもなく、多分世界を支配してい る事実はないと思います。



米国でのタブー、それはイスラエル非難?

イスラエルやユダヤ人に対するあまりにもお決まりの観念は偏見でしょ う。しかし米国がイスラエルにとって最大の同盟国であり援助国である ことは事実です。

昨年2006年9月7日付け The Japan Times にLos Angeles Times 紙の記事が掲載されていました。


ロサ・ブルックス、ジョージタウン大学教授のその記事の内容を紹介し たい思います。「イスラエル政府の政策について批判的な書物を書いて みなさい、そうすればあなたは理解するでしょう。もしあなたが幸運な らディナーパーティに招待されなくなるでしょう。もしあなたがそれほ ど幸運でなければあなたはネオコン(新保守主義者)の専門家から、全 面的攻撃を受ける対象になるでしょう。 狂信的反ユダヤ主義者として。


米国で最大の権威をもつ人権組織所長ケン・ロスは2006年7月のイ スラエル・ヒズボラ戦争でのイスラエル軍の民間人への攻撃について、 戦争犯罪にも等しいと人権の立場から警告しました。

このコメントに対してロス自身と人権組織に対して即座に大きなバック ラッシュ(大衆の反発)がありました。テロリストの肩を持っている、 テロリストを容認している、と。

また保守系の新聞であるNew York Sun はロスこそ(ちなみに彼 はユダ ヤ人)ヒズボラ擁護の輩であり、反イスラエルの偏見の見本である、と 批判。

現在の米国ではイスラエル政策を批判する事はユダヤ教の合法性そのも のを否認することであるとまで言われるのです。」

最後に彼女の記事の1部を原文で紹介します。

In the United States today it just isn't possible to have a civil debate about Israel, because any serious criticism of its policies is instantly countered with charges of anti-semitism. ( 現在の米国ではイスラエルについての一般的議論を行なう事はできま せん。少しでもイスラエル政府の政策を批判すれば即座に反ユダヤ主義 者としてレッテルをはられてしまいます。)


日本の役割

 私はこの記事の主張がすべて正しいとは私は思いません。この記事に対 する反対意見があれば是非紹介したいと考えています。

ただ、パレスチナ問題に関するマスコミの論評に、ヨーロッパと米国で はかなりの違いが見られる事は事実です。

ヨーロッパの中でも国内にアラブ系の移民が多いフランスや過去のホロ コーストという歴史を背負うドイツ等国内の事情がパレスチナ問題への 対応に足かせとなる場合も多いのです。

私はヒシャム・バドル駐日エジプト大使の本年節分大祭でのスピーチを 思い出しています。

「イスラエルからもアラブからも信頼を得ている日本はパレスナ問題解 決において、欧米には出来ない役割を果たす事ができるはずです。」

それは過去においてこの地域で植民地の歴史を持たず、両民族に過去 の負い目を持たない日本が演じることのできる、イスラエル、パレスチナ 双方への公平なアプローチであり、日本独自の役割ではないでしょうか。




(写真下) 「イスラエルの夕べ」で話しをするアヴィタル・バイコヴィッチさん

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(写真下) 「イスラエルの夕べ」で話しをするマーヴァ・バルコフさん

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