誰にでもわかるパレスチナ問題(その41)
”改めてパレスチナ問題の基礎から”
19世紀以降、ヨーロッパにおいてマイノリティー(少数民族)として迫害されてきた
ユダヤ人が新天地を求めてオスマントルコ領内のパレスチナに入植し始めました。
入植したユダヤ人は1948年にイスラエルの建国を勝ち取りますが、
このために多くのパレスチナ人が難民化してパレスチナ問題が発生しました。
近代的な意味でパレスチナと呼ばれる地域は、現在イスラエルが領有している地域に
加えパレスチナ暫定自治区とされているヨルダン川西岸地区、ガザ地区を加えた地域に相当し、
現在ではパレスチナ自治区の地域を限定して指すことが一般的になっています。
「イスラエル」の語源はヘブライ語で「神と争う者」の意味です。
旧約聖書創世記に表されているように、神と格闘したヤコブが神に与えられ た名前に由来しています。
1948年、5月14日に独立宣言し誕生した現代イスラエル国は大まかに言えば、
ユダヤ人とアラブ人によって成り立っています。
アラブ人とは元来はアラビア半島に住むセム系の遊牧民族を指していました。
現在ではアラビア語を話す人々の総称として使われています。
パレスチナの語源はペリシテ人の土地と言う意味で、紀元前13世紀頃にペリシテ人が住みついた事に由来します。
つまりパレスチナ人とは パレスチナという、古代のカナン、現在のイスラエルの土地に住む人の事を
指していたのです。
2007年7月23日の読売新聞オンラインにエルサレム発の興味ある記事が載りました。
イスラエル教育省はイスラエルが「独立戦争」と位置づける1948年の第一次中東戦争は、
アラブ系住民にとって故郷から追放される「ナクバ」(破局)だったと記載した
小学校3年生向けの社会科教科書を、検定で初めて合格としました。
タミール教育相が7月22日、明らかにしました。
最近、パレスチナ問題を題材にした平和の本の出版を計画する人や自爆テロの犠牲になった
子供の手記を発行しようとする人から相談を受ける事があります。
その際、普通の日本人には理解できない微妙な問題に直面します。
イスラエル、パレスチナどちらにも偏らない表現がいかに困難かをその時になって経験するからです。
NPO法人大本イスラエル・パレスチナ平和研究所
主任研究員 矢野裕巳
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2003年、綾部プロジェクトを始めるに際し、出来るだけ多くの綾部市民に
このプロジェクトの意義を理解してもらおうと様々な努力が実行委員会を通して企画されました。
パレスチナ問題を理解する為の基礎講座も開かれ、私も何度か講師を務めました。
その時の資料としてこの「誰にでも解るパレスチナ問題」を15回分作成。
それをまとめたのが本誌の始まりです。
16回以降は 本誌の連載として書き始め、今月号で41回目になりました。
ここでもう一 度原点に戻り、誰にでも解るパレスチナ問題の基礎をもう一度考えてみたいと思います。
パレスチナ問題の始まり
パレスチナ
イスラエル人とユダヤ人
700 万と言われるイスラエルの人口のうち20パーセント、およそ140万人はアラブ系イスラエル人です。
残りのユダヤ人をユダヤ系イスラエル人とは言わないのは
ヨーロッパにおけるシオニズム(世界へ離散したユダヤ人が現在のイスラエル国へ戻ろうとする運動)の結果、
主としてユダヤ人によって建設された国家であるからです。
ただ、イスラエル人といえば自動的にユダヤ人を指す事ではないことは理解できると思います。
アラブ人とパレスチナ人
パレスチナ地方に住む人はすべてパレスチナ人で、京都に住む人は京都人というのと同じです。
元来パレスチナ人とはこの地方に住むアラブ人の事です。現在では近代以降世界各地から入植してきたユダヤ人に対して、
それまでこの地で暮らしてきたアラブ人をパレ スチナ人と呼んでいるのです。
独立戦争 ?
イスラエルは「ユダヤ人国家」を建国理念としており、
アラブ人の視点が教科書に取り入れられるのはきわめて異例で、
この教科書はこの秋以降アラブ系の小学校で使われる予定のようです。
イスラエルでは人口の2割をアラブ系が占めますが、同戦争を
「ホロコーストを生き延びた移民達が独立を勝ち取った戦争」と
位置づけるユダヤ歴史観が現在も支配していて、検定に対し、
和平団体は画期的と歓迎している一方、右派政党は自虐史観で国民の誇りを損なうと批判しています。
どちらにも公平に ?
年表一つにしても双方にとって表現が異なっています。
両サイドから見た基礎的歴史背景を学習することなく、
単に「私は公平に平和を望む」「同じ人間同士仲良くすればいいではないか?」と
発言できるほど単純な紛争でないことは事実でしょう。
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