誰にでもわかるパレスチナ問題(その50)
”シリア 1”
NPO法人大本イスラエル・パレスチナ平和研究所
主任研究員 矢野裕巳
(その1)
(その2)
(その3)
(その4) (その5)
(その6)
(その7)
(その8)
(その9)
(その10)
(その11)
(その12)
(その13)
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(その62)
(その63)
(その64)
(その65)
”シリアという国”
中東和平にとって鍵を握る国の1つシリアについて
今回から数回にわけて考えてみたいと思います。
シリアの正式名称はシリア・アラブ共和国。
この国名は、かつてメソポタミアで栄えたアッシリア帝国から来ています。
北のトルコ、東のイラク、南のヨルダン、西のレバノン、イスラエルに接しています。
人口は2千万弱で面積は日本のほぼ半分です。
国民の9割近くがアラブ人で、少数のアルメニア人、クルド人がいます。
宗教はイスラム教スンニー派が74%、16%がアラウイー派で、
10%のキリスト教徒も存在します。古代より文明が栄えた土地であり、
各文明の交流地点のため高度な文化が発達しました。
国内の各地にアッシリア帝国時代の遺跡が点在します。
1946年フランスの委任統治から独立。
政治体制は事実上、バアス党(アラブ社会主義復興党)単一の社会主義国です。
” アラブ統一をめざして”
1946年フランスから独立したシリアは、
その直後イスラエルとの第1次中東戦争で敗北し、国内が政情不安に陥ります。
http://www.jinruiaizenkai.jp/Japana/ja-kolumno/j-bill/darepare/dp-6.html
アラブの統一を旗印に1958 年、エジプトと連合して新しい国、
アラブ連合共和国を建国しました。
アフリカ大陸の北東部分のエジプトとアジア大陸の西側に位置するシリアが飛び地国家として
1つの国を作りあげたのです。
首都をカイロにおいたこのアラブ兄弟国による連合は長続きしませんでした。
多くの政治的決定がエジプトのナセル大統領主導で行なわれ、
シリアが これに反発したと言われています。
アラブ人の中でももっとも誇り高いと言われるシリア人にとって
エジプトの態度が高圧的に写ったのかもしれません。
結果としてこの連合体は短命に終わり1961年には早くも解体され、
もとのエジプト、シリアに戻りました。
”シリアの地図”
皆さんが中東へ旅行し、イスラエルからシリアへ行こうとしても、
テルアビブ(イスラエル)からダマスカス(シリアの首都)へ直接行く事はできません。
また、シリア入国に際して、もしあなたのイスラエル滞在の過去が解れば、
それだけで入国を拒否され空港から 追い帰されてしまいます。
シリアはイスラエルの存在を認めていないので、その反イスラエル政策は徹底しています。
シリアの地図にはイスラエルの記述がなく、
現在のイスラエルの位置には単にパレスチナと書かれています。
そのような訳でイスラエル出入国の際には税関でNo Stamp といえば
パスポートにスタンプを押さずに通してくれます。
とにかくあなたのパスポートにイスラエル入国のスタンプがあれば、
そのパスポートの有効期限がまだ先であっても、
新しいパスポートに代えなければシリアに入国できません。
逆の立場でイスラエル入国に際して、過去のシリア入国のスタンプがあったとしても、
ただちにそれが理由で入国が拒否される事はありません。
ただ世界でもっともセキュリティチェックの厳しいイスラエルの税関で、
厳しくシリア訪問の理由に関して質問攻めに会う事は避けられないでしょう。
隣同士の国でこれほどの敵対関係を長らく続けている国はあまり例がないと思います。
この地域でイスラエルとかつて敵対関係にあったエジプト、ヨルダンは、国民感情を別にすれば、
お互いの観光客が自由に往来できる関係を築いています。
シリアの政治・外交
1970年のクーデターで政治的実権を握ったハーフェズ・アル・ アサドが2006年6月に死去。
政権は次男のバッシャール・アル・アサドに委譲され現在に及んでいます。
次回はシリアの政治・外交を対イスラエル、また対周辺アラブの国々との関係を考察します。
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