誰にでもわかるチベット問題(その1)
ウイリアム・ギルキー氏
2008年は4年に1度のスポーツの祭典、平和のお祭り、北京オリンピックの年でした。 自分から意見を主張する人では無く、何時間でも静かに本を読むという学者タイプの人でした。
もう一つの遺言は自分が亡くなれば大本式で葬儀をお願いしたい、
そして遺骨は故郷、オクラホマ州チキシェーにあるお父さんの墓の横に埋めて欲しいということでした。
ギルキー氏が亡くなって10年近くなりますが、2つの約束は果たせたと思います。
大本葬儀の祭壇にはギルキー氏の大好きだった
マクドナルドのビッグマックとコカコーラがお供えされました。 (写真左)オクロホマ州チキシェーにあるギルキー家のお墓
人類愛善会チベット問題勉強会
世話人 矢野裕巳
(その1)
(その2)
(その3)
(その4)
(その5)
オリンピックの陰で
最近の高度経済成長を背景に、大国の仲間入りを内外に宣伝する絶好のチャンスととらえた
中国の力の入れようは大変なものでした。
私達も開会式の豪華さや中国人選手のメダル獲得数には驚きましたね。
しかし、その華やかなオリンピック開催の陰で中国の抱える様々な
問題も大きく世界のマスコミに登場した年でもありました。
3月にチベットのラサ市で起こった中国政府に対するデモが武力で
鎮圧される様子や各国での聖火リレーへの妨害が
テレビ、新聞、インターネットで世界の人々の目や耳に触れました。
今までチベット問題にはほとんど関心がなかった人々にとっても、
一体チベットで何が起こっているのだろうか? と考えた人々も多かったと思います。
オリンピックが終わって
あれほど北京オリンピック開催の前には、チベット問題を取り上げたマスコミも、
最近でほその露出度を大きく減退させています。
本当はオリンピックが終わった後こそはっきりと正確な情報をマスコミは取りあげるべきだと思います。
大本では今年8月23日、北海道あしわけ歌祭りへのチベット人青年と中国人青年参加(本誌10月号)や 9月の亀岡天恩郷月次祭に駐日ダライラマ法王代表部代表の参拝、講演等が続いています。
書店に行けば多くのチベット関係の本が沢山並んでいますが、
本誌ではそれらの書籍とは違った側面からもこの問題を考えていきたいと思います。
ウイリアム・ギルキー氏の遺言
大本国際部で20年間にわたり仕事をされ、1999年の節分大祭の翌日、他界された、
ウイリアム・ギルキーさんという米国人がおられました。
亀岡の西竪町で長らく1人暮らしでしたが、
晩年の3年間を京丹波町の私の自宅で私の家族と共に暮らしました。
長年、大阪外国語大学(現在大阪大学外国語学部)で教鞭をとられ、
その英文執筆能力を活かし、大本の教典英訳に大きな功績を残された人物です。
(写真左)大本国際部で英文季刊誌 Oomoto International の発行に取り組む 1981年

昇天の3日前、私は入院先の南丹病院に泊まり込みギルキー氏と最後の会話をしました。
深夜どうしてもハーゲンダッツのバニラアイスクリームを食べたいと言うので、
当直の看護婦さんに「いいですか?」と尋ねると「私は最近夜になると耳が聞こえなくなるのです」との事。
この粋な計らいでこの世の最後の食べ物がアイスクリームと言うのも彼らしいです。
体は大分衰えていましたが、その日は色々な事を話しました。
(写真右)
比較宗教学の世界的権威 ズイ・ベブロスキーヘブライ大学教授との会談
(写真左)ジム・モートン聖ヨハネ大聖堂長との対談 1983年
大きく2つの事を遺言として聞きました。
1つは自分の米国にあるお金をニューヨークのチベットハウスに寄付して欲しいとの事でした。
チベット問題解決に役立てて欲しいと語られました。
当時の私はチベット問題に関心がなく、どうしてチベットなのかな?ぐらいの感覚でしたが、 後にチベットハウスから礼状が届きました。
(写真右)デービット・キッド大本伝統芸術学苑長(右)との会談 1981年

(写真右)昇天1ヶ月前のギルキー氏
京丹波町の自室で亡くなる数日前まで読書を続けていました。1999年1月4日
遺言番外編 ビッグマックとコカコーラ
これはあの日の約束にはなかったことですが。
葬儀についての遺言は私が喪主の挨拶で披露しましたが、
チベットハウスへの寄付については、今まで誰にも話した事がありませんでした。
チベット問題を今回より数回にわたって紹介するその第一回において、
チベット問題とは直接関係ないエピーソードですが、なぜかギルキー氏の事が思い出されました。
「生きている時にもっと色々と聞いてくれたら良かったのに」との氏の声が聞こえてきそうです。
きっと大本でのチベット問題への活動を後押ししてくれる、
また喜んでくれる、、、なんとなく、そのように強く感じています。
(写真右)遺言どおりお父さんのお墓の横で埋葬
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