モンゴル事情(2006.1.14)
人類愛善会宗教協力推進室次長 山田歌男
ウランバートル全景
帰国日が近づいて参りました。小生はお陰様で元気に活動しておりま す。
さて、日本のニュース報道でご存知の事と思いますが、現在、モンゴ ルの政治情勢はかなり 不安定になっており、
皆さんも心配されていることと思います。その事について少しお知らせをいたします。
モンゴルの政治体制は共和制をとっており、議会は国家大会議という 一院制です。議員の定 員は76で 任期は4年。
議席の配分は、人民革命党が37議席で第一与党です。第一野党は民主党で26。その他、祖国党7、国民勇気共和党2、共和党1、
無所属3となっています。
2000年7月2日、第3回総選挙で野党人民革命党が圧勝し、以後与党となり政権を掌握しています。
2004年6月27日の第4回総選挙では、野党祖国・民主連合が躍進し、人民革命党と拮抗しましたが、
人民革命党の 取り崩し工作によって野党祖国・民主連合から数人が人民革命党に移籍し、人民革命党が絶対優位与党となりました。
それ以降、与党人民革命党と野党祖国・民主連合の協調政策が始まり、大臣ポストなど主要ポストを両党で按分したりしていました。
つまり野党としての機能が働かなくなってしまったのです。
ウランバートル市内
現在の国家元首は ナンバリン・エンフバヤル大統領(2005年6月就任、任期4年)で、人民革命党の出身です。
また現首相は野党祖国・民主連合出身です。
今回の騒動は、1月11日に突然、人民革命党が内閣の総辞職を要求・勧告したのです。
日本では不信任案の提出にあたるのでしょうか。内閣を総辞職させ、首相と野党祖国・民主連合の大臣の退陣を迫り、
これらを一掃した上で、人民革命党による内閣組閣を敢行しようとしたのです。実際に人民革命党の閣僚は早々に辞職してしまいました。
このような強硬な政治手法により国会が紛糾し、その争いが一般市民にも波及し、ウランバートル市では、
野党の支持者達が大規模なデモを行っています。昨日は、野党派の市民が与党本部と市役所のビルになだれ込み、
窓やドアを破壊し警官隊とも衝突していました。また反対に与党支持者は現政権を応援するデモを大規模にやっています。
しかし、その騒動は、大統領府周囲の行政地区だけで、その他の周囲 はいたって平穏で市民生活にもさほど影響ありません。
(ウランバートル市内の交通渋滞はひどくなりましたが)
しかし、しばらくはモンゴルの政治は混乱状態が続くと思われます。今後も人民革命党の政権が続くでしょうが、
与党の政治運営によってモンゴル経済が停滞・悪化したことを野党支持の国民が不満に思っており、
今後、政界再編または議会の解散総選挙に発展するかもしれません。革命が起こることはまずありませんが、
大規模な市民デモが散発する可能性はあります。
ツェデンダンバ会長
さて現在、大統領府に務めておられるツェデンダンバ会長についてお知らせします。ツェ会長は、前大統領時代からの大統領補佐官です。
現大統領が就任と同時に、他の補佐官は全員罷免されましたが、ツェ会長一人だけはそのまま大統領補佐官として職務を続けています。
政府内でツェ会長の行政能力はかなり高く評価されている証拠です。
ちなみにツェ会長は政権与党人民革命党から選出された大統領のもとで政務を行っている方です。
いま、ツェ会長とともにモンゴルセンターに大きく貢献されている方 にバトツェレグ理事が います。
この方は前国会議員で現文部大臣の顧問をしています。各地の小学校への文房具贈呈活動にも多大な尽力を頂いている方です。
この方は野党祖国・民主連合の支持者です。ツェ会長とバト理事は、お互いの支持政党は違いますが、
昔からの友人で非常に親密な関係が固く結ばれています。
バトツェレグ理事
このようにモンゴルセンター関係者には、いろいろな政党の支持者がおりますが、
皆モンゴルの将来を思い国民の為に活動する人たちばかりです。幅広い政党支持の方々が集まることによって、
かえって良いバランスが保てていると思います。モンゴルの政治の混乱で心配をかけていますが、
センターの活動には影響はありませんのでご心配は無用です。
以上、モンゴルの情勢について、モンゴル特派員の山田うたがお伝え しました。