誰にでもわかるパレスチナ問題(その3)
常務理事・主任研究員 矢野裕巳
新聞、ラジオ、テレビ等で最近毎日のように耳にし、目にするパレスチナ問題、現代の中東問題も、根本原因はパレスチナ問題にあるという報道を聞かれた人もあると思います。
それでは、パレスチナ紛争とは何なのか?また、いったい何が問題なのかを数回に分けて考えてみます。
まずは、おおまかに古代から現代までの歴史を考えてみましょう。
◆「ユダヤ人とは?」
ユダヤ人とは誰か?
これにはさまざまな解釈があります。サルトルは著書『ユダヤ人』のなかで、『他人によってユダヤ人と呼ばれる人がユダヤ人』と言い切っていますが、どうもピンときません。イスラエルでは多くの論争の後、 次のように考えられている様です。
『ユダヤ人はユダヤ人の母親から生まれた者、ユダヤ教に改宗した者で他の宗教に帰依していない者』。基本的には ユダヤ人とはユダヤ教を信仰する人々と考えられるのです。 つまり、ユダヤ教を信じていれば人種や言語に関係なくユダヤ人としてみなされるようで、日本人として生まれてもユダヤ教の熱心な教徒であるならユダヤ人として認められる 事になるのです。それほどまでも、ユダヤ人とユダヤ教との結びつきは強いと言えるでしょう。
◆「パレスチナ民族?」
パレスチナの長い歴史を考えてみれば、あたかもこの地域の紛争は何千年まえから続いているように思われる人も多いかも知れません。しかし、今日のパレスチナ問題は古来の歴史的経緯から生じたものではありません。今から100年程まえに起こったヨーロッパからパレスチナへのユダヤ人の移住がきっかけなのです。それまでは、アラブ人、ユダヤ人はそれぞれ、別の宗教をもちながら、共存して来た歴史があります。その移住へと追い立てたユダヤ人への差別、迫害がこの問題の根源をなすものです。

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