誰パレ9 of NPOイスパレ

NPO法人大本イスラエル・パレスチナ平和研究所
Oomoto Peace Institute for Israel and Palestine
「イスラエル・パレスチナ紛争」を中心に世界の紛争を学び平和に貢献する具体的活動の実践を目指します!

誰にでもわかるパレスチナ問題(その9)

常務理事・主任研究員 矢野裕巳





 新聞、ラジオ、テレビ等で最近毎日のように耳にし、目にするパレスチナ問題、現代の中東問題も、根本原因はパレスチナ問題にあるという報道を聞かれた人もあると思います。
それでは、パレスチナ紛争とは何なのか?また、いったい何が問題なのかを数回に分けて考えてみます。
 まずは、おおまかに古代から現代までの歴史を考えてみましょう。


◆「第4次中東戦争」


 第3次中東戦争の圧倒的大勝利を受け、イスラエルは占領地変換を条件にアラブ側が平和交渉に応じてくると信じていました。しかし、1967年8月スーダンでのアラブ主脳会議の『アラブの三つのノー』でその予測は裏切られる事になります。

 『アラブの三つのノー』とは、イスラエルとは『講和せず、交渉せず、承認せず』という原則の採択でした。
 当時世界でイスラエルの華々しい電撃作戦が報じられ、たった1国を相手に大敗北を喫したアラブの弱さが大きく報じられました。その敗北者としてイスラエルとの平和交渉の席につくことは堪え難い屈辱だったのでした。まさにアラブの面子(メンツ)です。

 ナセルの後継者であるアンワル、サダトはこの時、いつの日かイスラエルに1矢を報いる事を誓うのです。そうする事により少なくとも対等の立場でイスラエルとの交渉の席につこうと考えていたのでした。その機会が1973年10月にやってくるのです。イスラエルは1967年の第3次中東戦争で完敗したアラブ諸国が再度挑戦してくるとは思っていませんでした。

 第4次中東戦争はアラブの奇襲攻撃で緒戦はイスラエルが敗北します。徐々にイスラエル軍が反撃しますが、それでも イスラエル国防軍初の敗戦を経験したと言えるでしょう。イスラエル軍不敗神話がこの時崩れました。
 サダトはこの第4次中東戦争緒戦の大勝利をテコにイスラエルとの和平問題を解決しようとします。サダト自身、この戦争を『戦争による平和の遂行』としてとらえ、イスラエルとの和平の出発点としたのでした。

 緒戦の敗北のあと、米国に対するイスラエルの緊急軍事援助要請に、当時の国務長官ヘンリーキッシンジャーは意図的に遅らせた節がみられるのです。キッシンジャーはその回顧録でもしイスラエルが再度勝利すればアラブ側はその面子から和平を拒否するであろう。アラブ側にある程度軍事面で花をもたせることが中東和平への道だと考えたというのです。
 偶然なのかどうかキッシンジャーとサダトの意図は一致していました。第4次中東戦争ではアラブ側は石油を戦略のなかに取り入れます。石油価格の引き上げにより日本や西側石油消費国のダメージは大きなものでした。





誰にでも分かるパレスチナ問題

目次

1    パレスチナ戦争、何が問題なのか?」
2    パレスチナ紛争はここ100年の問題」
3   「ユダヤ人とは?」
4   「2枚舌? 3枚舌」
5    「国連分割案(1947年)
6    「イスラエルの建国とパレスチナ難民」
7    「アラブ民族主義の台頭、そして英仏植民地主義の終焉へ
8      PLO(パレスチナ解放機構)設立と6日戦争
9    「第4次中東戦争」
10  「キャプデービット合意」
11  「インティファーダー(民衆蜂起)」
12  「湾岸戦争とパレスチナリンゲージ」
13  「オスロ合意からラビン首相暗殺まで」
14  「イスラエル極右勢力とパレスチナ過激派」
15  「ユダヤ人が2人いれば政党が3つできる」
16  「綾部市、エルサレム市友好都市宣言」/「エルサレムで『平和祈願祭』
17  「指導者の決断」
18   神は死んだ。パレスチナ問題の複雑さに悩んで!
19  「9.11」
20  「綾部市長の英断」
21  「走りながら勉強を!走りながら準備を!」
22  「絶望はおろか者の結論」
23  「分離壁そしてアラファトの死」
24  「次の世代には・・・/川をこえる橋
25  「大本、ユダヤ教の婚礼」
26  「ガザ撤退」
27  「想定外は想定内」
28  「圧力と譲歩」
29   イラナ・ジンガー博士からのメール
30   亀岡プロジェクト1
31   亀岡プロジェクト2
32   亀岡プロジェクト3
33   亀岡プロジェクト4
34   亀岡プロジェクト5
35   ジュベル・ムーサ(モーザ山)/パレスチナ人から見た中東和平への展望
36   大本大祭、大本歌祭へ
37   米国の役割、日本のアプローチ
38   亀岡プロジェクト 最後の締めくくり
39   建設的あいまいさ
40   よりよい世界をめざして
41   改めてパレスチナ問題の基礎から
42   亀岡平和祈念式典へのメッセージ
43   イスラエル軍によるシリア空爆
44   イスラエルロビーとパレスチナ和平1
45   イスラエルロビーとパレスチナ和平2
46   イスラエルロビーとパレスチナ和平3
47   ヨルダンハシミテ王国1
48   ヨルダンハシミテ王国2
49   ヨルダンハシミテ王国3
50   シリア1
51   シリア2
52   東京大本歌祭
53   マドリード世界対話会議/サミールナウリ ヨルダン大使講演
54   ハイム ホシェイン公使
55   イスラエルトパレスチナ?
56   敵の敵は味方?
57   イスラエル右派政権誕生・・・・和平へのプライオリティー
58   イスラエル政府の行動に疑問を投げかけるユダヤ人
59   ユダヤ人であることとイスラエルを否定することは矛盾しない
60   ユダヤ教、キリスト教、イスラム教1
61   ユダヤ人はなぜ迫害去れてきたのか?
62   ユダヤ人迫害の歴史を通して考える
63   預言者を通してユダヤ教、キリスト教、イスラム教を考える
64   安息日を通して通してユダヤ教、キリスト教、イスラム教を考える
65   聖地を通してユダヤ教、キリスト教、イスラム教を考える
66   一神教と多神教

誰にでも分かるチベット問題

誰にでも分かる世界の紛争

サダト大統領暗殺30年のよせて

目次

その1
その2
その3
その4

Bill Roberts

講演録