2011年秋号 of aizenkai

《主張》
人類愛善新聞2011年秋号

「原発抜き」を目指す

「もったいない」精神に立ち返れ




3・11東日本大震災で深刻な原発事故が起きた。原子力発電は、危険な放射能を常時制御する必要がある。使用済核燃料の放射能半減期は数万年にもなり、その最終処理技術は今も確立されておらず、完成の見通しさえ立っていない。
 それにもかかわらず、エネルギー資源のほぼ全量を海外からの輸入に依存してきた日本は、将来の化石燃料枯渇を恐れるあまり、原発を採用した。
 事故直前の原発の電力供給量は全体の三分の一近くにもなった。国民の多くも″安全神話〟を信じて恩恵に浴してきたのである。今回の大事故はその咎めが一挙に出たというほかない。
 この際、我々は「生命の安全」という人間活動の原点に立ち返り、遺伝子組み換え食品の危険性、脳死臓器移植の不合理性などとともに、原子力発電という危険な科学の暴走にストップを掛けなければならない。
 出口王仁三郎初代総裁は「物質に内在する愛善の力を正しく利用する道が真の科学なのである」「愛善を基調とせざる科学は愛悪科学であって、斯かる科学は結局人類を真の幸福に導くことができず、却って科学文明の発達のために混乱と破壊をこの世に招来するものなのである」と述べている。
 今回の事故により、原発は危険だとハッキリした。しかも世界有数の地震国日本に、54基の原子力発電所が在るのは、地域住民だけでなく国民全体さらに世界にとっても危険極まりない。
 日本人はこの機会に、「節約」を真剣に実行するとともに、「原発抜き」と、原発に代わる新エネルギーを確保せねばならない。各国とも、風力、太陽光など、それぞれの地域特性を生かした自然エネルギー開発を進めている。
 日本の自然条件の特徴は周囲を海に囲まれている点だ。
 日本に似た条件の英・韓・カナダは海流・潮力発電の国家プロジェクトをすでに立ち上げているという(『日本はエネルギー大国だ』ダイナミックセラーズ出版 2011年8月25日発行)。
 日本には、海流・潮力発電に必要な発電機・船舶・精密機械・建設などの″ものづくり〟分野では、世界に誇る技術力がある。
 日本も英知を集めて本格的な国家プロジェクトを立ち上げ、黒潮の流れ・潮の干満落差の利用だけでなく、無尽蔵で無公害、安心安全な理想のエネルギー、あるいは未知のエネルギーの開発に本格的に取り組まなければならない。
 一方、大震災と原発事故は、日本人に対する天の一大警告でもある。大量の食べ残し食品の投棄をはじめ気侭なエネルギー消費を続けてきた日本人は、傲慢な生活態度を改めなければならない。
 これからの生活は、今まで日本人が享受してきた好き放題の日常に較べれば、節約を旨とし「少し貧しく、少しひもじく、少し寒く」なることを覚悟すべきではないだろうか。
 今こそ、日本人が古来培ってきた日本の心に、すなわち大自然を畏敬し、「生かされている命」を自覚し、「天地のご恩」に感謝する、「もったいない」精神に立ち返るときである。

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