2012年夏号 of aizenkai

《主張》

本気で「脱原発」を

エネルギー政策見直し




 総合資源エネルギー調査会基本問題委員会が5月28日に出した中間報告では、焦点となっている2030年時点での原子力発電の比率について、4つの案を並列して示しているが、本気で「脱原発」しようとしているとは到底思えない。
 人類愛善会としては、政府が、4つの選択肢のうち「0%」案を採用し、早期に原発をゼロにするという確固たる意思表示をすることを要望する。
 エネルギー安全保障の観点から原子力発電の存続を支持する声があるが、出口王仁三郎人類愛善会初代総裁は害の無いクリーンなエネルギーが将来登場することを示唆している。まずは太陽熱、風力、潮力、海流など「再生エネルギー」へのシフトを図るべきであろう。
 そして、「もったいない精神」を発揮して、消費エネルギーの節約・節減、効率化を図ることも重要だ。
 NHKの調査によると、ドイツでは、経済成長と消費エネルギーは比例していない。消費エネルギーが減っているにもかかわらず、経済成長を続けている。消費エネルギーを節約する技術の向上に力を注いでいることが、経済成長を後押ししているという状況があるからだ。
 これまで顧みられることのなかった、廃熱の再利用や地中熱、下水熱を利用してエネルギーに転換する技術にもっと目を向け、これらの利用・技術革新に努めれば、更なる省エネを図ることが可能であろう。
 また、福島の原発事故で明らかなように、原子力発電は、事故のリスクが高すぎる。
 今後30年でM7程度の地震が起こる確率は、首都直下地震が70%程度、東海地震が87%とされる。東海・東南海・南海地震が連動して発生し、想像をはるかに超える被害が出る可能性も大いに懸念されている。
 いくら原発の安全基準を高めたとしても、それを易々と乗り越えてしまうのが自然の驚異的な力である。
 政府は福井県の大飯原発の再稼働に向けて着々と準備を進めているが、大飯の再稼働を皮切りに全国の原発を再び稼働させようという狙いが透けて見える。
 再稼働しなければ電力需要がピークとなる夏を乗り切れないとしているが、その根拠は一体何であろうか。
 仮に計画停電をしなければならない事態に陥ったとしても、電力の確保より、国民の〝いのち〟の方がよっぽど大事だ。大飯原発を地震が襲わないという保証は全くないのである。放射能の危険性を軽んじているのではないか。
 経済の理論を優先しすぎるべきではないし、これ以上、神から与えられている「火」、「水」、「土」を汚すことが、あってはならない。
 原子力発電からの脱却を図らなければ、福島の事故から何も学んでいないことになる。もう一度同じ目に遭おうというのか。
 日本は広島、長崎に原爆を投下された唯一の被爆国で、放射能汚染の危険性を身をもって体験した。それにもかかわらず、福島原発事故という未曾有の原発災害を起こしてしまったのである。これ以上、過ちを繰り返してはならない。
 再び原発災害を引き起こさないためにも、国策として、「脱原発」をはっきりと掲げ、「再生エネルギー」への転換を行うという確固たる姿勢を「エネルギー基本計画」で明らかにするべきだ。 

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