2013年冬号 of aizenkai

《主張》

世界連邦実現へ日本が指導力を

世界益へ転換図れ



 地球温暖化問題は、先進国・途上国の対立が深刻で、これには環境問題とともにエネルギーの原発依存を今後どうするかも深く関わっている。食糧・水資源問題も全世界的課題として我々の前に立ちはだかっている。
 また、日本の島々を巡る領土問題も中国・韓国・ロシアの隣国が厳しい対応をしている。
 これら諸課題に対し各国は、今まで国益優先の観点から対処してきた。日本でも、島の領有権という国益確保のために軍備強化をすべきとか、核武装すべきといった強硬論まで出ている。
 しかし、一国の軍備強化は、相手の軍備強化を誘い、武力行使が行われれば、同盟国を巻き込んで全世界の破滅に直結する恐れさえある。
 異なる見解は、軍事力によらず話し合いによって解決しなければならない。世界各国とも遠い未来にわたり友好を深めていく以外に残された選択肢はない。
 出口王仁三郎人類愛善会初代総裁は次のように指摘している。
「世界平和を阻害する有形・無形の二つの障壁を除去しなければならない。前者の最大のものは対外的戦備(警察的武備は別)と国家的領土の閉鎖で、後者の最大のものは国民および人種間の敵愾心また宗教団と宗教団との敵愾心で、この二つの大障壁は無形の障壁から取り除かなければならない」、「自己心と自我心が、障壁をつくる唯一の根源である」と。
 そのために人類愛善会は、早くから「人類愛善」「万教同根」を旗印に民族文化の尊重や世界連邦、エスペラント活動を推進してきた。
 我々は国際社会に対し、国の行動規範を、国家利益を至上とする〝国益〟から世界人類の利益を至上とする〝世界益〟へと大転換することを訴える。これは世界連邦を実現することと同義である。冒頭に挙げた諸課題も世界連邦によって初めて解決の道が開かれる。
 もっぱら国益追求に走り、国家主権至上主義が牽制し合う現在の国際社会にあっては、この解決策である世界連邦実現を具体化するために、どうしても強いリーダーシップを発揮する国が必要だ。
 日本は憲法第9条によって戦争を放棄し、戦後70年近く一度も戦争したことがない文化的平和国家として広く世界の信頼を得ている。日本こそがリーダーシップを発揮するにふさわしい国である。
 その根拠はほかにもある。
 日本は、世界で唯一「政府は、世界連邦実現への道の探究など、持続可能な人類共生の未来を切り開くための最大限の努力をすべきである」という国会決議(衆議院 平成17年8月2日)を行った国である。
 また、日本には142年前の1871年、明治維新による中央集権国家を樹立するにあたり、武備を基本に成り立っていた諸藩の武装解除を行い、「廃藩置県」を実現した実績もある。
 わが国政府は一日も早く、世界連邦運動の窓口を務めている外務省総合外交政策局の機能をより高め、国内・国際社会に対し、平成17年の国会決議の精神を生かして、「世界連邦実現を期す」ことを率先して決意表明すべきだ。この日本の決意表明が世界連邦実現の最大の契機となる。
 地球温暖化問題をはじめ世界が直面する諸課題が、世界連邦に結集するすべての国々によって、公正に解決される日の到来することを望む。 

ページの先頭へ