2014年春号 of aizenkai

《主張》
人類愛善新聞2014年春号

エネルギー計画の根本見直せ

原発から愛善エネルギーへ


 3・11の東日本大震災から3年が経過した。地震・津波からの復旧は遅れているが、原発事故は、急を要する対応策の実現さえ困難を極めている。
 メルトダウンしたとみられる炉心の現況はいまだ的確に把握できていない。汚染した地下水の海洋流出にも歯止めが利いていない。さらに、収集した周辺地域の放射能汚染土壌の処理も中間貯蔵施設の設置場所の候補地がようやく絞り込みができた程度である。
 まして、育ち盛りの子供たちが被る健康被害や遺伝的な悪影響に対する対策については、どのくらい深刻な実態になるか今後の調査を待つしかない。避難住民の帰郷実現時期も見通せない。また、東京電力福島原子力発電所敷地内で復旧作業に従事する作業員たちの肉体的な放射能被害はすでに深刻な事態に達していると伝えられる。東北地域の農・海産物、加工食品は放射能非汚染の証明が依然として求められている。
 各地の使用済み核燃料も事故が起きれば放射能問題が発生する。その事後処理も難題である。プルサーマル計画は、事実上中止すべき事態にもかかわらず、全国に溢れつつある使用済み核燃料の保管には数量的限界が間もなく到来する。それに加えて、最終処分場の目途さえ付いていない。
 スリーマイル島、チェルノブイリ、そして福島と、原子力発電は一度事故が起きれば、人間はもとより地球上のすべての生命を未来永劫にわたって脅かす、人の手に負えない〝危険な激しいエネルギー〟であることが今や明白である。
 原発事故は、科学技術の粋を結集できたとしても、事故の発生を完全に防ぐことは難しい。まして日本は世界的な地震国であり、津波も度々発生する。想定を超える地震・津波は日本列島に今後も起きる可能性が高い。自然災害に伴う原発事故は防ぎ難いと覚悟しなければならない。
 原発事故を防ぐ最良の対策は、原発からの撤退である。
 危険な原子力発電エネルギーから一日も早く撤退し、「愛善エネルギー」の開発と利用に、国の資源と財力を集中する方向へ、大きく転換すべきである。
 各国とも、自国の地理的条件を生かした安心安全なエネルギー戦略にしのぎを削っている。英国、カナダ、韓国は海流利用エネルギーの国家プロジェクトをすでに立ち上げているし、風力発電にはドイツやオランダが力を注いでいる。
 日本もこれまで原子力発電に投じてきた巨大な国家資源を振り向ければ、愛善エネルギーの開発・利用は一気に進むであろう。
 一方、日本人の生活態度には大きな反省が必要である。いままで安全神話に乗せられて、電力エネルギーの30%近くを原子力に頼ってきた日本人は、エネルギーの浪費癖が染み付いていた。貿易立国の国家目標に何の疑念もなく従い、資金力に物を言わせる傲慢な生活の恩恵を受けることに終始してきたと言える。
 宇宙船から眺める夜の地球には、日本列島の輪郭がいつも電灯の光に輝くほど明るく浮かび上がっているという。
 原発エネルギーの供給を断ち、これまでの傲慢な生活態度を改め、天地のご恩に感謝する、つつましい生活へ切り替えていかなければならない。
 「少し貧しく、少しひもじく、少し寒く」暮らす生活こそ、今後のあるべき日常生活の姿とすべきである。

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